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「ハルちゃん、来てくれたのね!」
綺麗に着飾ったゆり姉が、抱きつきそうな勢いで俺の傍までやってきた。
「当たり前だよ。ゆり姉のためだもん。ゆり姉、改めて、本当におめでとう」
今日は、ゆり姉の二度目の結婚式だ。
といっても、俺は一度目を知っているわけじゃない。噂によると、一度目の結婚は完全な政略結婚で、その結婚式も会社関係の人間を集めて行ったらしく、俺は結婚式があったことを勇樹から聞いただけだった。お相手の会社が潰れたことをきっかけに二人は離婚したらしい。
二度目の結婚式だからなのか、今日の集まりは、お金持ちの大庭家のご令嬢であるゆり姉のものにしては、こじんまりとしていた。
「今日は、身内とか友人とかほんとに親しい人しか呼んでないから、安心して楽しんでね」
ふふっ、と悪戯っ子のように微笑むゆり姉は、本当に可愛くて綺麗だった。
「遥斗(はると)」
少しかすれたような低い声が俺を呼ぶ。振り返らなくてもわかる。勇樹だ。
「ゆうちゃん、どこ行ってたのよ。ヒデちゃんが挨拶したがってたのよ」
俺が反応するより早く、ゆり姉が勇樹に唇を尖らせながら文句を言っていた。
どこ行ってたなんて、相変わらず鈍感でひどいよな。勇樹はもちろん逃げてたに決まってるのに。
ヒデちゃんとは、ゆり姉の再婚相手で、ゆり姉の幼なじみであり、初恋の相手であり、中学、高校とずっと付き合っていた人だ。
そして、ゆり姉が荒れてしまったきっかけと、俺と勇樹のきっかけを作った人でもある。
勇樹が前のゆり姉の結婚相手以上に、ヒデちゃんを嫌っていること、ゆり姉が知ることは一生ないのだろう。
「ゆり、主役がこんなとこで油売ってていいのかよ?そろそろ着替えたりするんじゃねえの?」
そういえば、結婚式だというのにゆり姉はウェディングドレスじゃなかった。
「あら、やだ。こんな時間なのね」
慌てたように、ゆり姉が立ち去っていく。
「ハルちゃん、ゆうちゃんのこと頼むわね」と言い残して。
懐かしい台詞だ。
今では、俺を見下ろすほど体格のよくなった勇樹だが、幼い頃は俺より小柄で病弱だった。一緒に遊ぶのもいつも勇樹の部屋の中だけで、よくゆり姉から、先程と同じ台詞を聞かされた。
そんなもの想いに耽っていると、急に勇樹に腕を掴まれ、引きずられるように強引にどこかに移動させられる。
人目を気にして、なるべく引きずられていることがわからないようにと、小走りで勇樹についていく。
「なあ、どこに・・・」
行くんだよ、そう言うつもりが、人気の少ない場所に連れ込まれ、そのまま口を塞がれた。勇樹の唇で。
今日の結婚式は、郊外の一軒家レストランを借り切ってのレストランウェディング、というものらしい。
一軒家には、広い庭があって、天気のよい今日は、まずはそこでの立食パーティーから始まっていた。
ここは、家屋の部分の裏手に当たるのだろう。スタッフらしき人物の足音や話し声が漏れ聞こえる。
庭から聞こえる人々の笑い声や話し声。
明るい光が差し込み、さわやかな風が吹く中で、勇樹にキスをされている。
しかも、ゆり姉の結婚式の最中に。
そんな背徳感が、俺を溺れさせる。
抵抗もせず、与えられるキスにのめり込み、舌を絡み合わせ、お互いの唾液を移しあった。
「んッ、ふぅッ・・・」
くちゅ、そんな音を立てて、俺たちの唇が離れた時には、俺のペニスはすでに熱を持ち始め、脚は力が入らなくなっていた。
「もう、こんなになってんのかよ」
勇樹の脚でぐりぐりと股間を刺激されれば、ただ勇樹にしがみつくしかできない。
「やぁっ・・・」
甘えたような情けない声。
きっとまた勇樹は、俺を蔑むように見下ろしている。ただの好き者だ、淫乱な奴だ、と思われている。
そう思うと、勇樹の顔を見れなかった。
「時間ねえから、さっさとイけよ」
ひどい言葉だ。頭ではそう思っても、慣らされた体は、もう勇樹から与えられる刺激に流されて言うことを聞かない。
下着が汚れる、嫌だ。
そう気づいたときには、すでに射精寸前で。
「・・・だ、めぇッ・・・ぅんッ」
勇樹からのキスと脚からの刺激だけで、あっけなく俺は達してしまっていた。
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