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奴隷、とは
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「…はい、確かに代金は受け取りました。
では、足枷を取ります。その後はどんな事があっても自己責任。宜しいですか?」
こうして、理不尽な本人抜きの商談は進み、俺は晴れて王位継承権第一位の王子サマ専属奴隷となった。
-カチャンッ
何年ぶりかの枷の無い足。
足枷があった場所は黒ずんだり、最初の方にしていた抵抗で痣や化膿した傷が出来ていた。
「立てる…かな?まずはその足、消毒しなきゃね」
すっと差し伸べられる手。
本当に、世間知らずだ。
奴隷の扱い方一つ知らないなんて。
「………なりませんよ、陛下」
すくっと、何でも無いように立ち上がって、自嘲気味に嗤う。
「〝奴隷〟とは、馴れ合うための〝お友達〟ではありませんから」
あくまで従順に。
縛めが消えてさっきより数十倍動かしやすくなった足を曲げて、今度は更に近くで跪く。
「〝私〟は、あくまで陛下の〝道具〟でございます。
代えなど、幾らでもある、ただのモノです。
…そのことを、お忘れなきよう」
そう。〝私〟は、〝アイヴァン〟は、〝奴隷〟で、名前を捨てられた今、唯一の自我は〝俺〟。
周りが俺を〝アイヴァン〟と呼ぶ限り、俺は〝奴隷〟だ。
変わらない、変われない。
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