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非常識的と常識的
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「あれー、お兄様、そちらのお方はだぁれ?」
城の門を潜り、馬車を進め、庭で主人が馬車を止めさせて、芝生の上で花を摘んで冠を作っていた少女の前に立ち止まった。
…似て、る…
振り向いたその顔は、目は、髪は、まさに主人が女子だったなら…という姿を生き写したかの様だった。
「彼は、今のところ、アイヴァン。本名は教えてくれないんだ。
闇市に居たのを連れてきた」
「まあ」
クスクスと口元にてを宛てて笑うその少女。
綻んだ口元と、きゅっと三日月形になった目元が少し大人びていた。
「はじめまして、アイヴァン様。私、ジョナスの妹のレイラ・アーノルド・エインワーズと申します」
深々と下げられた頭。
………これが狙いか
チラリ、と主人を見遣れば、チロっとしたを出して、「バレた?」とでも言い気な顔をしていた。
そう、主人の狙いはこの礼儀正しい妹君に会わせ、同等の扱いを受けさせることで私に〝ゲーム〟への第一手を仕掛けたのである。
…そう簡単に騙されてなんか、やらないけど。
そして、更にそこに、拍車を掛けるように真逆の対応をする奴が現れた。
「―あっれぇ〜?なーんか汚い臭するなぁ〜って思ったら奴隷ちゃんがいたのかぁ〜。へぇ〜?
…兄上、どういう事?」
背中に掛けられた声は、恐ろしいほど嫌悪、軽蔑、不快感、憎悪がありありと滲み出ていた。
どちらも主人にそっくりな顔立ちだったが、後ろにいた少年が、一番常識的だった。
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