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18歳以上ですか?
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過去
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そのたった1度きりの主人は、とある地域の領主でした。
私のその時の名は〝イヴォン〟といいました。
まあ、これはあくまでどうでもいい不要情報なんですけどね。
それで、その領主はワイロ…闇金、とか言った方がいいんでしょうか?まあ、そんな物を受け渡ししている奴でした。当然、それはバレて領地の大半を没収。
外面だけは気前良く、社交的な男を演じていたので、何も知らない領地の民からすれば信じられなかったことでしょう。
…私の先ほどの「魘されていた」というのは、恐らくこの先の出来事です。
元主の部屋に呼ばれ、扉を開けると殺気立たせた明らかに正常ではないその人が居ました。
唐突に、「斬らせろ」とか言って来てですね。
了承する間も、身構える間も、逃げる間もあったもんじゃありませんでした。
…見てのとおり、私は年相応の身長がありません。せいぜい12歳児に見るのが限界でしょうね。
そんな私が、180cm以上ある大男に敵う筈がないですから、当たり前と言えば当たり前なんですが。
まあ、取り敢えずそんなこんなで主が護身用に持っていた刃の部分が随分と曲がったナイフで背中の肉を抉られました。
それはもう、グッサリと。
医者曰く、私がこうして生きているのは奇跡なんだとか。
臓器にも傷が付いていたし、動脈も切れて、脊髄がやられなかったことが凄い…と。
…これで、昔話はおしまいです。
……ジョナス様。そんなお顔をなさらないで下さい。
貴方様のせいでは、無いのですから。
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