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不思議だよ
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「不思議…ですか」
「うん。とても」
「…………」
主人の自論がいきなり何の脈略もなくこちらに移ってきた。
…どの辺がどういう風に不思議なのだろうか。
「〝ゲーム〟とか言ってるから色々仕掛けてくるのかな〜とか考えてたら全然何もしてこなくて寧ろこっちから何かしていかないとまったく話が進まないし…する事といえばちょっとだけ自分の事を話したり…あとはもうただ僕の『仕掛け』に冷静沈着と対応しているだけでしょ?」
「…まぁ」
問う前に返された返事はまぁ的を射ている。
「あとは、突き放されている筈なのに何故か君に引き付けられる。だから、誰にも話したことの無かった事をこうして君に話してしまう」
-本当に不思議だよ
と。
澄み切った瞳で、主人は少し微笑みながらそう言った。
その言葉はそれ以上何を残すでもなく、藍色に染まり始めた空に溶けるように薄く、透明に消えた。
〝透明〟は、〝白〟よりも染まりやすい。
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