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3年振り
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「………ん…」
「起きたか」
目を覚ますと、懐かしき元主が目の前に立ち、さらに手足は壁に鎖で繋がれていた。
「…クロード・ベルジェ・シャロン卿」
「相変わらず物覚えはいい様だな」
「……」
まさかまたこの狂気領主の元へ連れ戻されるとは…
「覚えてるぞ…?イヴォン」
ジョナス・アーノルド・エインワーズ達とは違う言語で紡がれる流暢な言葉は背中の古傷にあの時の感覚を思い出させた。
あの時迸った痺れ、熱、引き攣り、視界の揺らぎ、視界の眩み、体の引き攣り、呼吸困難。
総てが、たった今起こったかの様に、鮮明に、鮮烈に。
ゾッと背筋から走った悪寒は手足の末端まで伝わっていった。
「……っ」
目前まで迫ったあの時の〝死〟。
純粋に、『怖かった』。
「あ、ああぁぁあ……っ!」
「はっ…初めて見た、な…お前が取り乱すことなんか、一回もなかった…」
すっと、目線を合わせるようにしゃがみ込んだクロード卿にくいっと顎を持ち上げられる。
「…大事なあのご主人様に絆されでもしたか?」
だい、じ………?
誰、を?
絆される…って………
「…お前には人としての情が生まれてきている…
変えたものなんて、アレくらいしかないだろう?」
俺、は…変わった……?
アイヴァンの仮面は、崩れそうになっている?
……いや、もう…崩れている?
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