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棄てた
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その記憶をもう少し掘り下げると、今より少し幼顔のクロード・ベルジェ・シャロン卿の顔が出てきた。
…………ああ、そうだ。
この頃だ。××を棄てたのは。
〝イヴォン〟が彼に買われたのは言わばストレス発散。
殴って蹴って斬って裂いて。時には嬲って、またある時には性欲の排泄口として。
虐げ、徐々に〝俺〟を蝕んでいった。
『お前は顔がいい…だから買った』
ある時彼はそんなことを言っていた。
誰に聴かせるでもなく、きっと、ふと思い立った本音だったのだろう。
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