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狂気的運命論
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主人がクロード卿の元へ尋問しに部屋を出たのと入れ替わりに医師と看護師が入ってきた。
「さて、じゃあ点滴の薬を替えるよ」
看護師に液体の詰まった袋を渡し、ベッドの横に椅子を置いて座る。
「…あの「アイヴァン、と言ったかな?」…はい」
「私も君と語りたいことは山ほどあるがね、君と私は関わらない方がいい」
「………」
優しく語るその表情はやっぱり既視感を覚えさせる。
「大丈夫だ。君はもう、孤独ではないのだし、きっとこの先ずっと君は彼の傍らで対等な立場で暮らす。例え君を気に入らない輩が居ようと、君に手を差し伸べる人物が居る事を忘れちゃいけない」
今、この口で、目の前の医師を親しく呼ぶことはできないのか。互いに、気付いているのに。
「―君の父親は、きっと間違った選択をしたんだ」
涙が出そうだ。
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