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帰国
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「ジョナス兄様!アイヴァン様!ご無事ですか!!」
王宮に入ってまっさきに待ち構えていたのはレイラ王女だった。
「大丈夫だよ。イヴはちょっと左脚が動かせなくなっちゃったけど…」
そう、退院間近に気が付いたが、俺の脚は斬りつけられた後遺症なのか左脚が殆ど動かせなくなっていた。
「…イヴって何、兄上」
整った顔をしかめて問うレオン王子。
「ニックネームだよ」
しれっと答えるジョナス様だが、疑いの目がすごく痛い。
「ふぅん…?」
何か思い出したように口を開くレオン王子。
「…そういえば、隣国の王宮を半失踪的な感じで離籍した第二王子の息子の名前がイヴだったってこの前習ったよ」
「へぇ……」
流石にそれと俺を結びつけてるわけではなさそうだが、車椅子の取っ手を握るジョナス様が冷や汗をかいているのが手に取るようにわかる。
「それと、気になってたんだけど」
今度は何かと流石に俺も身構える。何しろ、レオン王子の視線は俺の顔あたりを彷徨っている。
「そいつ、髪の毛赤茶だよね?生え際あたりが金髪なんだけど」
「……明確な国を解らなくするために商人に定期的に染められていました」
「ふぅん…」
こればかりは嘘ではない。
「ま、顔立ち的にきっと隣国でしょ」
攫われた理由もそれだよね、と言って踵を返してしまった。
「あ、レオ兄様!お待ちください、兄様ー!」
スタスタと歩いていくレオン王子に慌てて追いかけていくレイラ王女。あぁ、躓いてる。ドレスの裾踏みかけてるし…
「…レオ、ヒヤヒヤさせてくれるなぁ…」
「……そうですね……」
心臓に悪い。
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