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あのね、
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その夜はジョナス様にもう少し、もう少しとレオン王子にまで憐れまれるほど胃に物を詰められ、半ば気持ち悪くなりながら入浴し、寝床についた。
「……あのね、イヴ…」
髪を撫でながら微睡んだ顔でふわふわと喋る様は本当に幼い。
「僕、イヴが攫われた時、胸が張り裂けそうなくらい苦しかったんだ…イヴはああ言ったけど、僕、本当に逃げてよかったのかなぁって…」
「…その後、きちんと救出に来てくれたじゃないですか」
「ん…そうなんだけどね…」
だんだんジョナス様の瞼が降りていく。綺麗な緑の瞳が少しずつ細くなっていく。
「…〝ゲーム〟に勝ったのは……どっち、だろう…ね……」
そのまま力尽きたように眠りについてしまった。
「………きっとあんただよ、ジョナス様」
動かなくなってしまった左脚には、あの枷がきちんとついている。
これから半年ほど経って、王国が第一王子の結婚相手の噂で大騒ぎになるのは、また別のお話。
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