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卒業の条件
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やかましく蝉が鳴く季節…。
蒼は、冷房の効いた図書室で頭を抱えていた。
それはたった1時間前のことだ。
「じゃあ俺、部活に行ってくるね!」
と蒼の恋人である悠仁が、一人校庭に向かった。
部活に所属していない蒼は必然と待つことになるので、少しでも涼しい場所を探す。
その途中で悠仁と親しい仲の大庭智行に会った。
かつて大庭は、まだ悠仁と蒼の恋人関係が成立していないときに喧嘩をふっかけてきた相手。
「シバはお前のこと本気で好きなわけじゃない」と。
結果として悠仁と蒼は両想いで、恋人同士になったのだが…
それでもこうして悠仁と蒼の周りをうろちょろしてるということは、よほどの友達が少ないか悠仁に好意を持っているかのどちらかである。
「おい、そこの下僕!話がある。いますぐ俺の後ろについてこい。」
「下僕じゃねぇって言ってんだろ?!つか強引すぎだろ!」
言いながらもついてくるあたり、こいつも下僕体質だなと蒼は密かに思う。
そして、二人は冷房の効いた図書室に来たのだ。
「単刀直入に言おう。お前、あいつのこと好きだろ?」
蒼が大庭の鼻をつまみながら問いただす。
「…………否定はしない。ただなぜ鼻をつままれているのかは理解に苦しむ。」
「お前顔は整ってるからな。で、否定はしないのか。」
「そりゃ、キスとか、までは考えてないけど…こいつなら、デートぐらいは、いいかなって…」
チャラチャラした男が急に顔を赤らめて喋り出す。
「そんな程度なんだよ、俺の気持ちなんて!いいだろ!まだ告白してねぇんだから!側にいるくらい!」
今度は一人でキレている。
予想以上にめんどくさいと思ったし、先を越されなくてよかった…とも思っていた。
悠仁は基本的に優しい。
万が一、今みたいな告白…それこそ「恋愛対象として好きだけど、嫌なら友達のままでもいい。」という内容を大庭から言われていたとしたら。
おそらく悠仁はイエスと答えただろう。
友達のまま、という言葉を鵜呑みにして。
内心、ほっと一息ついていたとき…
大庭から、あの一言を放たれる。
「でも…正直、男同士のセックスとか、興味あんだよな…シバの童貞チンコ、どうだった?」
「え?」
「ん?」
「あー…そういえば、まだ挿入してねぇな。」
「はぁ?あれから、2か月だぞ?!まだセックスしてねぇの?!うわ!シバ可哀想!まだ童貞じゃん!」
そして今に至る。
いままで、ありとあらゆるジャンルの男どもに声をかけられてきた蒼。
どんなプレイ、どんな性格もこなし、相手を満足させてきた。
あまりいい実績ではないが、百戦錬磨の自分が…
2か月の間セックスしていない?!
その事実に驚愕し、しばらく頭を抱えていた。
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