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無音
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「あらぁ久しぶりね!!かっこ良くなっちゃって……まあまあ座って座って!」
「お久しぶりです叔母様」
あっさりとした化粧にアップにした髪。おれを見た瞬間に顔を輝かせて笑うこの方は、この家の家主だ。
「……それで、私に御用とは?」
そう促すと、さっきまでウキウキしてた顔が一変して心底うんざりした顔へと変わった。
「…はぁ、それがねぇ?さすがにもう16になるからさ、あの子をちゃんと面倒みろってあの人がうるさいのよ」
あの人っていうのは叔父さんのことだ。今は海外に出張中だ。
「あれからずっと英二に面倒見させてたんだけどね、英二が自分より適任者がいるって言い出して、あなたを呼ぶことにしたのよ」
「……そう、ですか」
「私にしてはあの子がどうなろうと知ったことじゃないんだけどね〜……どうかしらァ?」
「はい、もちろんお受け致します」
「まあっ!じゃあ早速今日からお願いねェ!私は海外に戻るからなにかあったときは英二に言ってね!!」
「はい、行ってらっしゃいませ」
叔母さんはパタパタと嵐のように去っていって、部屋にはおれ1人が残された。
……顔も見たくないってか
黒い感情が溢れ出す。
モヤモヤとした気持ちだけが残って嫌になってたら、英二さんが顔を出してチョイチョイと手招きしてきた。
「じゃ、今から部屋に行くけど……心の準備できてる?」
「大丈夫ですよ」
「…じゃ、行ってきな」
頑丈な扉を開けて中へ入ると、シーンと静まり返った空気が漂っていた。
ほんとにここに人なんているのか?ってほど異様な静けさに頭が痛くなってくる。
「……秋人(あきと)?」
そう声を出すけれど、無の空気のなかへ消えてしまった。
……暗いな
部屋の灯りをつけようと手を伸ばした。
すぅーっと眩しい明かりが広がって視界が広がる。
「秋人…?」
もう一度呼んでみると、奥のベッドのほうで物音がした。
「……?」
丸まった塊があったから恐る恐るシーツに手をかけると小さく丸まってガタガタ震えた状態の秋人がこっちを見ていた。
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