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もともと俺はそんなに売りあげ成績が、優秀じゃなかった。それに課長にも期待はされてなかった。
きっと俺が会社を辞めても、誰も何もおもわないだろう。俺の使っているデスクに空きがあいて、 そこに新しい奴が入ってきて使うんだろう。
入社して2年目なのに、まだ課長に怒られている。お前の代わりはいくらだっていると、いつも言われたりした。
正直言って辛い。
死のうかと何度も思ったりした。
普通に大学を卒業して、普通にどこかの会社に就職してサラリーマンになって、普通の人生を歩んで、誰かと結婚して、このまま歳をとるんだと思っていた。
なのに人生は思うようには行かない。どっかで失敗して躓いて怒られて、時に起き上がれないくらいの精神的な辛さを味わって、悔しい思いしてみんな生きてるんだもんな。俺も同じだ。子供の頃に成りたかった夢なんて大人になると大概忘れる。
きっと俺が子供の頃に描いていた夢は、こんなハズじゃなかった。
もっと明るい未来が見えていた。なのに俺は一体どこから道を道み外したのだろうか……?
きっと夢を諦めた時点で、それはただの夢になったのかも知れない…――。
会社を休んでから5日目が過ぎた。
俺は何もせずに、部屋のベランダから外の風景を眺めていた。缶コーヒーを片手にタバコを一本、口にくわえて吸った。
外の風は心地いい。
何もかも優しく包んでくれる。俺は自分の気持ちの整理がつかないまま、これからのことを一人で考えたのだった――。
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