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━━━━“ 全部おわってます ”━━━━
小さなメモにはたった一言の文字が書かれていた。阿川がどう言うつもりで自分の仕事を代わりにやって片付けたのかは解らないが、葛城はその文字を 読み取ることで彼の優しさに触れたのだった。
阿川はあんな奴だけど、根はいい奴だ。
なのに……なのに…………。
葛城はその紙をぎゅっと握り締めると、肩を震わせて彼のことを思ったのだった。
「俺もどう言うつもりかは知らないけどさ、阿川の奴がお前の仕事を黙々と片付けてたんだよ。やっぱりあいつ新人の癖にすげーよな?」
「さすが課長に気に入られるだけにあるぜ。俺だったら自分の仕事で低一杯だもん。葛城、先輩想いのいい後輩持ったな!後で阿川にちゃんとお礼言っとけよ?」
萩原はそう話すとコーヒーカップを片手に自分のデスクに戻ったのだった。
葛城は彼が片付けた報告書が入っているファイルを机の上に戻すと、その場から離れて課長室へと向かったのだった。
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