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「葛城さん、どうして俺を引き留めるんですか?」
「貴方は俺の気持ちには応えられないと言いました。なのにどうして俺を引き留めたりするんですか?」
阿川は腕を掴まれて引き留められると、振り返ることもなく背中を向けたまま彼に尋ねた。
葛城は彼の腕を掴んだまま、うつ向いた顔で静かに応えた。
「…… 自分でもわからない。でも、この腕を離したらお前とはもう会えないと思っただけだ!」
「葛城さん……」
「それにあんな風なキスされたら、お前のことを 忘れることも出来なくなるだろ……!」
葛城は彼にそう話すと、体を小刻みに震わせたのだった。
「阿川、一度しか言わないからよく聞け。お前が辞めるのは勝手だが、だけどその理由が俺だったら許さない。お前が俺に辞めるなと言ったように俺はお前には辞めて欲しくない…――!」
そう言って顔を上げると葛城は彼の方を真っ直ぐ見つめて、自分の気持ちを口にしたのだった。
「だから辞めるな阿川、ここで俺と一緒に居てくれ…――!」
葛城は気持ちがまだ整理できない状態の中で、勇気を振り絞ってそう話すと、掴んだ腕を強く握ったのだった。
阿川はその言葉にゆっくりと後ろを振り返ると、真っ直ぐな瞳で彼を見つめた。
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