アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
いつもの駅で。 said相太
-
あ、いつもの人だ…。
僕が通っている高等学校へ行くために使っているこの駅に、今日もあの人がいた。
設置されている、鉄部分が少し錆びたベンチに座って本を読んでいる男の人。
真剣な表情で本を読む横顔がとても綺麗でよく覚えている。
この駅はほとんど人がおらず、無人駅のようなものだ。
でも6時15分発に乗るために、その時間より少し早めに駅に行くと、決まってこの人が居た。
あまりにも端正な顔立ちなものだから、ついつい魅入ってしまう。
あの人は本を読んでいるから、僕の視線には気づいていないようだけれど…。
二人なのだから声をかければ良いのだけれど、なかなか出来ないでいる。
だって…だって彼…
凄くクールそうなんだ…。
そんな感じで今もなお、話しかけられないでいる。
自分のコミュ症にはほとほと呆れる…。
いつしか喋れるようになればいいなぁ。
そんな事を考えているうちに電車が来たみたいだ。
彼は本をそっと閉じ、立ち上がってから荷物を持ち、電車に乗った。
僕もそのあとに続くように電車に乗った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 3