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僕の現実問題
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ふっとカレンダーに目を向ける。
ずっとバタバタしてて目すら向けてなかったカレンダーは、少しホコリをかぶっていた。
なんとなーく手にとって、ホコリを払う。
えーっと、今日って何日だっけ?
なかなか出てこないから、最終手段のケータイを取り出した。
あ、そうそう。11月26日だった。
ってカレンダー先月のままじゃん。
パラ、とカレンダーをめくって元の場所に置いた。
これからは日にちを忘れないようにしないと。
一日一日が大切だからね。
「……にしても、もう26日かぁー。」
余命宣告を受けたのが11月の中旬くらいだから、お医者さんの言った余命通りなら僕は2月の中旬くらいに死ぬってことだ。
ん?でも、あと1か月持たないって言われたっけ……なら、1月にはもう僕はいないんだ。
僕はもう三年生だし、3月には卒業なのに。
まさか、その卒業ができないとは思わなかったなぁ。
ずっと、普通に生きてくんだと思ってた。
普通に卒業してさ。
普通に大学に行って。
その頃にはヒトミと付き合ってて。
一緒の部屋に住んじゃったりして。
毎日新婚さんみたいな感じでさ。
当然みたいに手を繋いだり、キスしたり…
もちろん一線も超えちゃって。
日本で受け入れられないなら、外国に行くのもいいよね。
そしたら、結婚も受理されるし。
あれ、でも最近になって日本でも受理されるようになったんだっけ?
誰に何を言われてもいい。ううん、誰も知らなくたっていい。構わない。
そうそう、それでさ。
大学も卒業したら、一般の会社に入社して。
大変な事ばっかりだろうけど、二人で頑張っていくんだ。
それで、それで……
「……って、僕、何考えてんだろ。」
そんなことありえないのに。
僕は卒業すらできないし、そもそもヒトミとはもう元になんて戻れない。
現実逃避なんてするな。
本当を見ろ。
もう、平気なフリをするのすらやっとじゃないか。
学校にだって普通に通えないくせに。
ありえない未来を想像したからか、なんだか無性に悲しくて、虚しくて、寂しくて、可笑しくて、やっぱり悲しくて、僕は腕で顔を隠した。
腕で顔を抑えるからかな、鼻と目が痛いや。
力を入れたまま押しすぎたのかな、視界がボヤけてる。
もう、ほんと、バカみたい。
『……死にたくない……』
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