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僕の現実問題
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「俺はテメェと話すことなんかねぇ。てか気安く呼ぶんじゃねぇよ。」
「まーまー。落ち着けヨ。たかが話すだけだロ?」
すかさず口を開くアラシに感謝する。後でなんか奢るよ。
「話したいことって言ってもシュウくんのことしかないんだけどさ。」
シュウくんの名前が出た途端こちらを向くリュウくん。
いやぁ、ホント。
「好きなんだね。シュウくんのこと。」
思わず綻んだ顔でそう言うと、リュウくんの顔が少し呆れに入った。
「はぁ?お前……いや、いい。で、話って何だ。」
お、やった。
「いやさ、僕好きな人いるんだよね。だから、シュウくんに諦めてもらえるよう何とか言ってくれないかな?」
「無理だ。」
えー、いけると思ったのに即答で断られた…
「あいつ…シュウは狙いをつけた奴を落とすまで絶対諦めないような性格だ。今までもそうだった。」
「止めようとしたことは?」
「あるに決まってンだろ。ナメてんのか。」
「じゃあ、それでもダメだったんだ?」
「………」
無言。それは肯定と同一。
「シュウくんのことだしなぁ、『まだまだ全然足りない』とでも言ったりしたの?」
あ〜、言いそうだな。
我ながらそう思っていたら、驚いた声で「…よく分かったな」と言われて笑いそうになった。
ホントに言ったんだ。それ。
「それであれか、嫌われるのが怖くて言い出せないんだ?」
実際、代わりはいくらでもいるんだろう。その中でリュウくんを選んでいるのは、お気に入りなのか、それとも使えるからか。
どっちにしろ、リュウくんの方から離れることができないのをいいように利用されてるわけだ。
「……俺は、シュウを取り巻いてる奴らの中で一番あいつのことを想ってる自信がある。」
「へぇ、顔だけ好きとかじゃないんだ。」
「顔も、性格も、全部愛せる覚悟がある。あいつが俺を選んでくれさえすれば…」
あ、僕そういうの好きじゃない。
ただ相手が来るのを待ってるだけ。
意気地なし。
「でも、今のあいつを振り向かせられるほどの力が俺にはねぇ。だから、何があってもシュウの側にいるって決めてンだよ。」
……。
前言撤回。
リュウくんは本物だ。
本当にシュウくんを愛してるんだ。
全身全霊で。
「…そっ、か。」
いいなぁ。
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