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僕の幸福理論
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先生がこっちに走ってきたけど、距離的に届くわけもなく。
先生がフェンスのこちら側に来るよりも前に、僕の足は完全に屋上から離れた。
重力に任せるまま仰向けに落ちていったから、先生の顔が見えた。
「アズマくん!!!!!!」
泣いてるよ先生。ボロ泣き。
僕はまた先生を傷つけたみたい。
ごめんね。
ありがとう。
目をつむって、今までのことを思い出す。
ここ最近は色んな人と関わったけど、人生っていうスケールで思い出すと、やっぱりヒトミとの思い出ばかりが浮かんでくる。
小さい頃から仲が良くて、いつの間にか僕に恋してて、気づいたら僕も恋してた。
幸せな家庭と、優しい友人。
なんて、幸せな人生。
だから、ここで終わっても不満はない。
ばいばい、幸せだった僕。
ばいばい、ヒトミ。
次の瞬間、強い衝撃と一緒に僕は意識を失った。
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