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僕の幸福理論
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アラシside
「コッチもコッチで忙しそうだしネェ?」
意外にも浜田脩はかなりのショックを受けていて、そのせいでリュウはここ最近気が抜けない日々を送っているらしい。
まぁ、アズマを嵌めた本人だし、イジメだってそいつがわざと仕組んだことだ。
直接的なモノが何もなくても、全ての元凶とも言えるほどのことをしでかしている。
壊そうとしたからといって、自殺するとは思わなかったんだろう。
取り巻きだった奴らも、今回のことにビビって離れていったらしい。
それで、唯一残ったのがリュウだったっていう話だ。
これで浜田もリュウがイイ奴だってわかるだろ。
てか、浜田も、そんな人間らしいトコあったんだネェ。
だがしかし。
「…つまんないモンはつまんないンだよネェ…」
喧嘩する奴らもいねえし、面白い奴もいない。教師はうるせーし生徒共は臆病だ。
「…帰るか。」
屋上を降りて廊下を歩いていても、静か過ぎて逆にキモい。見回りとかしてる教師もいつもならいるけど、それもいない。
「…おい待て!どこに行こうとしてる!」
あ〜、いたヨ。めんどくさい教師。
「教室に早く戻りなさい!!」
イマドキの教師は腕を掴んだりして強制的に教室へ戻したりはできないようで、怒鳴ることしかしない。そんなんで素直に帰る不良もいない。
「あ〜、俺帰るネェ?」
その教師の横を通り過ぎながらそう言うと、そいつは走って俺の前に戻る。また通り過ぎれば、また戻ってくる。
強制的に戻せないから、こうやってネチネチ追いかける。
嫌味でも言っときャいーか。
「俺みてェな不良追っかけるならさァ、その時間使って世間への言い訳でも考えてればイイんじャナァイ?」
持ち前の目つきの悪さを利用して恨んでるとばかりに睨む。
「アイツと俺、仲良かったンだけど、アイツやさしーし。」
グッと言葉を詰まらせる教師をそのままに昇降口へ向かう。
まぁ、仲良かったとか言っても少し話したぐらいだし、さしたる絆も無い。
ただ、アズマといると面白そうだし、なんかほっとけねェ気もする。
「アー、まるでぬるま湯じャねェかヨ。」
雑に靴を履き直して、誰か暇な奴を探そうとスマホを取り出して歩き出す。
と、昇降口の扉の少し向こうに誰かが見えて、俺は目を細めながら足を止めた。
「ンン…?保健室のセンセーと…アー、アレ誰だ?」
とにかく、ナァンかおもしろそうジャン。
携帯はそのままに、俺は素早く身を隠して話を聞き始めた。
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