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僕の最終通告
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アラシside
アズマのクラスに行くと、やっぱりヒトミはいやがった。
まぁ、もう3校時目だもんネェ。フツーいるよな。
そんなことを考えつつガラガラとドアを開けた。
「ちょーっと失礼すんねェ…おいヒトミ、ツラ貸せ。」
ズカズカと教室に入ってヒトミの目の前でそう言い放つ。
授業中だったこともあり、しんと静まり返る教室。
咳払いとともに最初に口を開いたのは、授業をしていた教師だった。
「き~た~は~や~。授業中だぞ。教室に戻れ。」
にっこり笑いながらも血管の浮いているこのクラスの担任。コイツは怖ェ。
ぽんぽんと出席簿で頭を叩かれ、少しキレ気味になりながらも冷静に言い放つ。
「アズマが話つけたいらしィからァ、ヒトミクン連れてってもいーっすカ?」
アズマ。
その言葉にクラスがひっそりと固まった。
やっぱりな。
このクラスでおそらく禁句となっているアズマの名前。
それは、このクラスが抱える罪悪感をちらつかせていた。
ちらちらと視線がヒトミに集まる。
当の本人は、冷や汗を垂らしていた。
…が、待っても待っても返事がこない。
「…だー、遅ェ。」
ヒトミの胸ぐらを掴んで力ずくで立ち上がらせる。教師も驚いて止めようとするが、その前に怒鳴ってやった。
「テメェがやったんだろ、責任ぐらい取りやがれ!」
俺の声にビクビクとするヒトミを見てさらに苛立ってきた。
なんなんだヨ。今更過ぎンだヨ。
殴ってやろうか、そう思った時、クラスのどこかから声が聞こえた。
「…そうだよ…お前が殴ったから、最初に言ったから…」
誰が言ったかは分らなかった。が、その言葉をきっかけにあっちこっちから声が聞こえてきた。
「…そうだよな…俺たち悪くないだろ…」
「…大体ヒトミが…」
「全部お前が…」
「俺は反対だったんだ…」
「ヒトミが悪い…」
「ヒトミが…」
「ヒトミ…」
「ヒトミ」
「ヒトミ」
「「「「「「ヒトミが悪い」」」」」」
ついこの間まで全員で手を繋いでアズマをイジメてたくせに、今度はヒトミかよ。
虫酸が走った。
「うっせェ!!!」
気づいたら、近くの机を思いっきり蹴り飛ばしていた。
蹴り飛ばした机は後ろの黒板にぶつかり、脚を曲げながら落ちた。
「きゃあ!!」
女子の悲鳴。でもそんなの関係ない。
「コイツが全部悪いってか!?責任転嫁してさァ、コイツをヤリ玉にあげて自分は悪くないですってカ?ぶっ殺されてェならそう言えヨ。」
胸ぐらを掴んだままのヒトミを揺らして叫ぶ。
ヒトミも俺的には気に食わねぇ。でも、このクラスにいればそうなるのもよく分かった。
「で、でも!最初に始めたのはヒトミじゃん!ヒトミが始めなければ、俺らだって…」
く そ が 。
ぱ、とヒトミを離して、そいつの元へ向かう。目の前まで行ってそいつの胸ぐらを掴んで、力の限りで殴り飛ばした。
「つまりヒトミがやらなけりャあ勇気のないテメェらは何もできなかったんだろ!?何のきっかけで始めたかはどーでもいいんだヨ、でも始めたんだったら最後までやる覚悟でやりやがれ!!」
胸糞悪ィ胸糞悪ィ胸糞悪ィ!
こんな奴らのせいでアズマは飛び降りたのか?自分の安全しか考えてねェ奴らのせいで?
くそったれ。納得できねぇんだヨ。
ここにいる奴ら全員ぶっ飛ばしてやる。
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