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僕の最終通告
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「…僕、最後にもう1回学校に行こうと思うんだ。」
ヒトミが泣き止むのを待ってからそう告げる。
すると、ずっと沈黙を突き通していたアラシがこちらを見て口を開いた。
「シュウはどーすんノォ?」
「うん、そのことを解決しに行きたいんだ。…最後のお別れだって、言いたいしね。」
悪口も言われたし、散々陰口も叩かれた。
でも、それまでの2年間、本当に幸せな学校生活だった。
それを支えてくれた、大切な人たちだった。
「今思い出したんだけど、シュウが会いたがってンだよねェ。ガッコー行く前に根本解決しといたラ?」
会いたがってる?
それはどういう意図で?
でも、学校にも長くはいられないだろうし、今のうちに解決した方がいいのはよく分かった。
「そうだね。アラシ、連絡お願いできる?」
「ハイヨ。」
携帯を取り出してどこかに電話するアラシを見ていると、ヒトミが呟くように言ってきた。
「…シュウさ、アズマが飛び降り自殺したの聞いてすっげぇ取り乱したんだ。取り巻きの奴もその事で離れてってさ、もう一人しか残ってないんだよ。」
かなり驚いた。
だってあのシュウくんが?
取り巻きの人も離れてった?
「…オゥ、じャあ明日?ン、分かった。じャーな。」
ピ、とアラシが電話を切ったのが聞こえてハッと現実に戻った。
「今日はシュウがかなり疲れてるみたいだからァ、明日来るってヨ。」
明日、か。
「じゃあ、明後日学校に行くことにするよ。できるだけ体が動くうちに行かないと。」
ヒトミが布団をキュ、と小さく握ったのが分かって、その上に手を乗せた。
「前みたいにご飯一緒に食べようね、ヒトミ。」
馬鹿にするようにため息をつくアラシの方を向く。
「アラシも一緒に食べようよ。最後なんだし。」
「…いーノォ?最後くらい2人でイチャイチャしてればいいんじャナァイ?」
大体学年違うし、と言うアラシにヒトミも口を開いた。
「俺もいて欲しい。2人だと泣いちゃいそうだし。」
「ダッセ。」
なっ、と息を詰まらせるヒトミに思わず笑ってしまった。
この2人、仲良くなりそうだな。
きっと、僕のいない世界で。
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