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僕の最終通告
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12月18日
今日もまた悪夢を見て飛び起きた。
飛び起きたと言っても、そんな体力はないからビクッとして起きたんだけど。
「はぁ…」
もう見たくもない、相変わらずひどい悪夢。
夢の最初は、いつも暗闇の中でヒトミと歩いてるところから。
ヒトミと一緒にいたのに、どんどんヒトミが先に行っちゃって、追いかけても追いかけてもたどり着けない。
そうしてるうちにヒトミが完全に闇の中に消えちゃって、代わりに無数の目が僕を覆って「最低だ」と呟く。
それに耐えるようにしゃがんで目を閉じていると、また闇の向こうからアラシと先生が出てきて笑顔で手を差し伸べてくれる。
夢の中の僕はホッとして、二人の手に手を伸ばした。
でも、その手は二人に触れる前に二人によって弾かれる。
一切の笑顔が消えた顔で、僕を見下ろす二人。二人の後には、無数の目が僕を見ていた。
そして皆で声をそろえて言う。
「 お 前 最 低 だ な 」
そこでいつも飛び起きる。
息が苦しい。息ができない。出来るはずなのに。
震える手でナースコールを押すと、数分と経たないうちに看護師の方が来てくれた。
看護師さんの手際のいい対処でなんとか息を繰り返して、ホッと一息ついた。
「ほんと…いつも、ありがとうございます……」
「大丈夫ですよ。でも困りましたね。これが毎日続くのは…」
そう、僕は朝起きると決まって過呼吸を起こす。
原因はこの悪夢のせいだと分かるけど、見たくないのに見てしまうからどうしようもない。
やっぱり僕の心が弱いのかな。
心のどこかで、先生もアラシも信じきれてないのかもしれない。
情けない。
「光山さん?大丈夫ですか?」
看護師さんの声にハッと我に返った。
「あ、大丈夫です。ありがとうございました。」
軽く頭を下げて看護師さんが部屋を出ていくのを見届ける。
そういえば、今日はシュウくんが来るんだっけ。
リュウくんも来るのかな。
来るといいな。
…学校、行きたいなぁ…
結局、午前中は考え事で過ぎてしまった。
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