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僕の最終通告
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死ぬって現実が近づいてきて、心が弱ってるのかな。
結構長い間、布団に顔を埋めていた。
もう、考えごとなんてしたくないのに、頭が勝手にぐるぐる回る。
「…… …」
もう、消えたい。
そう思いかけた時、ドアをノックする音が聞こえた。
「アズマァ?連れてきたゾ。」
体がびくりと跳ねる。
やだ、来ないで。
無意識にそう口に出してて、慌てて口を塞いだ。
それを言っちゃいけない。
だって僕は笑わなきゃいけないんだから。
笑わなきゃ。
笑って、全部。
全部ハッピーエンドにするんだ。
今度は、アラシにもバレないように。
「入っていいよ。」
そう告げると、カラカラとドアが開いた。
最初に目に入ったのはアラシ。何も変わらない、大丈夫。
ホッと肩の力を抜こうとしたその時、視界にシュウくんが映った。
一瞬、笑顔が崩れかけた。
リュウくんに支えられるようにしてこちらを見ているシュウくん。
その両端には、リュウくんとアラシ。
違う、そんなんじゃない。
そうやっていくら否定しても、手の震えが止まらない。
大丈夫、アラシは僕を信じてくれる。
大丈夫、大丈夫。
…本当に?
だって、だって僕には。
アラシまで〝そっち〟に行っちゃったように見えて。
布団をぎゅっと握って、ひたすら笑顔を固めた。
でも、すぐにバレたと分かった。
「…テメェらちょっと待ってロ。」
それだけ言ってアラシがドアを閉める。
そして、ツカツカと無言で歩いてきて、思いっきり胸ぐらを掴まれた。
「おいテメェ。なんでまたその顔してンだヨ。」
今までで一番、怒っていた。
「俺言ったよナァ?なんで今更誤魔化して笑ってんの、って。騙せるとでも思ってンのかって言ったよナァ!?」
強く揺さぶられながら、あの時のことを思い出す。
初めて僕の気持ちに気づいてくれたアラシ。
なんで、離れていかれるなんて思ったんだろう。
僕が信じなくても信じてくれたのに。
「…俺は、正直連れてきたくなかったヨ、シュウのこと。お前を苦しめるだけの存在なんて、その場でぶっ殺したっていい。でもお前なら違う答えを言うって思ってヨォ、俺が決めることじャねェって、そう思ったから、だから…」
そのまま何を言わなくなったアラシを見て、僕は何やってんだろうと思った。
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