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僕の最終通告
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「…一人が、嫌なんだ。」
僕の手をとったシュウくんは、泣きながらぽつりぽつりと話し始めた。
「一人だけじゃ不安で、だからっ、誰かといたかった。出来るだけたくさっ、たくさんの人と一緒にいたくて、そしたら、父さんも母さん…本当の子じゃなくても、愛してくれるんじゃ……って……」
正直、驚いた。
シュウくんは周りのすべての人から愛されてるイメージしかなかったから。
だからか、余計に納得できた。
シュウくんが、学校でなんであんなにも人を求めているのか。
「…そうだったんだ。」
周りを見ると、アラシもリュウくんも驚いた顔をしていた。
アラシはともかく、リュウくんの驚きようは凄かった。
どうして言ってくれなかったんだって顔。
「言えないよね。周りに人が増えれば尚更。」
周りから人がいなくなって、一人残されるあの気持ち。
誰でもない、僕も味わった。
教えて離れて行かれるなら、教えないでそばにいて欲しい。
だから、嘘に嘘を重ねた。
シュウくんは知ってるんだ。正解は必ずしも幸せじゃないことを。
「でも、ダメだった…みんな、みんな僕から離れてって、…」
一番の嘘はバレなかった。でも、その周りを嘘で覆いすぎた。
ベタベタに貼りまくった嘘はいとも簡単に剥がれてしまった。
「もっと違うやり方でやればいいのかもしれなかったけどっ、そんなやり方なんて、分からなかった…!」
ずっとひとりで。
悩んで悩んで、それで選んだ答え。
間違ってるなんて、一人じゃ分からない。
「…シュウくんの選択は間違ってたかもしれない。でも、その覚悟は責めないよ。」
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