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学園祭準備13
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保健室はまだ明かりがついていた
「先生‼︎」
「どうしたんですか?そんなに慌てて」
「会長が!」
「こっちのベッドへ運んで下さい
西園寺君落ち着いて」
斎藤先生は何も言わなくても苦しそうにしてる会長を見て、手際良く診察してくれた
俺のせいだ
もっと完璧に仕事しないと捨てられる!
捨てられる?嫌だ嫌だそれだけは嫌だ!
「…君……西園寺君!」
ハッ!
「さい、とうせんせ?」
「いいですか、落ち着いて深呼吸して下さい」
そう言って先生は俺の手を握った
その時初めて自分の手が震えてることに気づいた
俺は斎藤先生の言う通りにしっかりと深呼吸する
「落ち着きましたか?」
「はい」
「西園寺君の言いたいことは分かります
確かに花園君は寝不足で倒れ、熱が出たのはただの風邪です」
っ!
やっぱり俺がいけなかったんだ
「でもそれは西園寺君のせいではありません」
「でも!」
「ちょっと黙って聞いていて下さい
花園君が寝不足になったのはプライベートで悩みすぎて仕事に身が入らなかった彼のせいです」
⁇
「会長は何かに悩んでいたんですか?」
「ええ、ですから西園寺君はこれ以上仕事を増やさなくていいんですよ
貴方の仕事量が足りないと言うわけではありません」
「なんのことでしょう?」
「誤魔化さないで下さい
西園寺君、貴方花園君や他の役員の倍の仕事量をこなしているでしょう?」
「…………」
なんで斎藤先生が知ってるんだ?
先週の1週間ちょっと席を外した間に仕事量は増えていた
考えれば当たり前の話だ
学園祭が近くなればなるほど準備は忙しくなる
だから俺は1人1人ギリギリ1日で終わる量に調節して書類を配るようにしていた
そして残った仕事を俺が片付けるようにしていた
そうすると自然に俺の仕事量が増えるわけなのだが、お昼休みと部屋に持ち帰って仕事をしていた
お昼休みは龍宝からの電話を言い訳に席を外し、そのまま生徒会の仕事をしていたが、会長達には気づかれてはいないだろう
そして今回は完全に俺が会長の配分量を見誤った結果が招いたことだ
「そんなに自分を責めないで下さい
西園寺君の仕事量は十分ですから」
「いえ、俺はまだやっぱり足りてなかったんですよ」
「……西園寺君私が分からないはずがないでしょ
貴方この短期間で痩せ過ぎです
服の上から見ても分かるほどですよ?医者の私が気づかないわけがないでしょう?」
…流石に斎藤先生は気づいたか
「西園寺君、正直に答えて下さい
いつからまともに食べて無いのですか?」
いつから?いや、覚えてないし
そんなの数える人なんていないでしょww
「まだ大丈夫なんで、会長達には黙ってて下さい」
「そうゆう問題では無いのですよ!全く貴方はいつも…
はぁー貴方に何を言っても無駄ですね」
うん、無駄な説教を聞かなくてよかった
「ですが、無理は禁物ですからね
花園君達には黙っておきますけど、ちゃんと睡眠と食事を取って下さいね
私は貴方の方が心配なんです」
いつも思うけど斎藤先生は大袈裟だし、心配性過ぎると思う
会長が倒れてここに来たのに俺の方が心配されてるのはなんで?
全くもっておかしな話だ
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