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学園祭12 晃side
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晃side
俺は心の中で盛大なため息を吐く
蓮と校内を回り始めて1分、既に注目の的だった
多分蓮は俺が注目されてると思っているのだろう
蓮の目はパンフレットに向けられており、クラスの出し物にどこから入ろうか真剣に考えているようだった
「会長どのクラスの出し物が一番興味ありますか?」
本当は定番のお化け屋敷にでも誘い、怖がる蓮がしがみ付いてくれる事を望んでいたのだがこの手ではパニックを起こした時に危険過ぎる
「俺はいいから蓮はどこに行きたいんだ?」
「俺、こういうのあまり経験なくて…だからたくさんの所を回りたいです!」
蓮が目をキラキラさせて俺を見る
まあ、もう起こってしまったことは仕方がない
どうせなら蓮を守りながら楽しもう!
心の中でそう決意し1番近くの出し物から入ってく
校内を回り始めて随分経つが蓮の興奮は冷める事はなかった
今は杏子飴を舐めながら、綿あめを食べましょうと言っている
そして綿あめを買ってタピオカジュースの出し物の前を通ると今度はこれを買うと言い出た
「蓮、そんなに急がなくても店はどっかに行ったりしないぞ」
「いえ、店はなくならなくても時間がなくなります」
右手には杏子飴、左手には綿あめを持っておりタピオカジュースを持つことはできないので俺がタピオカジュースを持つことになった
綿あめを食べ終わった蓮がパンフレットを見ているのを後ろから覗き、あるクラスに目が止まる
「蓮、俺行きたいとこ出来た
行ってもいいか?」
「もちろんです!どこですか?」
「こっちだ」
さりげなく蓮の空いた手を握り歩き出した
「あっあの!会長、手!」
焦った声で抗議してくるが、聞こえなかった事にする
今日の第1目的は手を握るこれだったからな!
今やめるなんて冗談じゃない
「会長がやりたい事って…的あてゲームですか?」
「……あぁ」
的あてゲーム
これは別にやりたい訳ではない
このクラスの的あてゲームは足を使うとパンフレットに載っていたから蓮を連れてきた
「食べ物ばっかじゃ楽しくねーだろ?
かと言って手を使うゲームは蓮は出来ないから余計につまんねーだろ?
ここは足を使うゲームだから、蓮も楽しめると思ったんだ
やるか?」
俺の言葉に蓮は嬉しそうに笑って返事をした
「蓮、勝負しようぜ」
「いいですけど何を賭けるんですか?」
ただ純粋に勝負がしたかった俺はそこまで考えておらず、蓮の言葉に詰まってしまう
「じゃあこうしましょう
会長が勝ったら会長の望みを俺が一つ叶える、逆に俺が勝ったら俺の望みを会長が一つ叶えるって事でどうでしょう?」
蓮の言葉に俄然やる気が湧いてきたので、もちろん了承する
……神様は不公平だ
結果は俺の一言で分かったと思うが、蓮の勝ちだ
1個10点で、10個で100点
俺と蓮どちらが多く点を取れるか勝負した
俺は90点…あと一枚だからそこまで気にする必要はないとは言えないだろう
なぜなら蓮が100点を取ったからだ
手が拘束されてバランスが取りにくいのにだ!
勉強も出来て、運動も出来て、おまけに顔もいいってどこの漫画の主人公だよ⁈
……ところで蓮の望みってなんだ?
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