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転校生⁉︎9 晃side
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晃side
はぁぁぁーーーー
心の中で盛大なため息を吐く
それもこれも原因は蓮にあり、蓮は早退した日から学校を休んでいる
…あいつはいつもそうだ
夏休みの時も電話の一本もくれなかった
虎賢さんの話から俺の事をちゃんと好きな事はよーく分かった
だがしかし!恋人に連絡の一つもないのは可笑しいだろ!
こうなってくると俺の自信が云々ではなく、蓮の自覚の問題だろう
何が特に何もないだ!問題大有りじゃねーか!
イライラしていつもよりキーボードを叩くのが強くなり音が煩くなる
瀧達に迷惑をかけているのは重々承知だ
「会長…電話したらどうですか?
なんなら今ここでしてもいいですから」
「「そうだよ〜あっくん!
無理は良くないよ〜」」
瀧だけならまだしも双子にまでそう言われるのは珍しく、自分の機嫌がそこまで悪い事に気がついた
…電話、俺からしたく無い訳ではない
むしろしたい…物凄くしたい
でも虎賢さんの話から蓮は忙しいと食事も睡眠も取らなくなると聞けば、俺から電話するのは躊躇われる
忙しいのは分かってるがやっぱり声が聞きたい…
このままでは埒があかないので結局電話する事にした
「はいは〜い!こちら蓮の携帯や」
何だこれデジャブ過ぎんだろ
前と同じように他の男が出て益々イライラする
だからなんで蓮の携帯なのに蓮が出ねーんだよ!
「もしもし、虎賢さん?
蓮に変わって欲しいんですけど、今大丈夫ですか?」
「あっその声は花園君やな
ほんまごめんな、蓮に連絡するよう言ったんやけど、したくないの一点張りで…」
……はあ?なんだそれ!
「せやけどかかってきてもうたのは仕方がないな〜
なぁ?花園君?今変わってあげるさかいちょう待っててな」
まるでこの展開を待ってました!といわんばかりの楽しそうな声で虎賢さんは蓮に携帯を渡した
……絶対楽しんでるな虎賢さん
「晃…えーと、その…ごめんなさい」
「その謝罪はなんの謝罪だ?
連絡しなかった謝罪か?それとも連絡したくないって言った事の謝罪か?」
「……虎賢から聞いたんですね?」
「虎賢さんを責める前に言う事があるだろ?
で?どっちなんだ?」
「……両方?」
疑問系かよ!それもあんまり反省してねーじゃねーか!
「謝るぐらいなら連絡の一つでも入れろ!
大体なんで連絡したく無いんだよ!俺はお前の彼氏だっつってんだろ!お前はちゃんとその自覚があるのか⁈」
忙しい蓮にこんな事言うつもりはなかったが、連絡したく無いと言われ考えて喋る前に勝手に口が動く
「……じゃないですか」
あまりにも興奮していて蓮の声が聞こえなかった
「え?」
「だって会いたくなるじゃないですか…
メールしたら声が聞きたくなって、電話したら会いたくなる…それならメールも電話もしない方が良いのかと思って…ごめんなさい」
ずる過ぎるだろそれは…
そんな事言われたら、怒鳴った事後悔するじゃねーか
それにもう責めらんねーし
思わずため息が出てそのため息を聞いて蓮がまた、謝ってくる
あぁもう完全に俺の負けだ
連絡したく無いって言われてるのに、怒鳴った事を後悔するぐらい嬉しいのだから
これが惚れた弱みとでも言うのだろうか?完全に振り回されている…
「分かった…それでいつ戻って来るんだ?」
「寮には土曜日には帰るんで、月曜日からはまた普通に登校出来ると思います
生徒会の仕事出来なくてすみません」
「……いや、今は特に忙しい時期じゃねーから」
「そうですか、良かったです
じゃあちゃんと食事も取ってるんですね?」
それを聞きたかったのは俺だっつーの!
「あぁ、蓮は?」
「俺?ですか?…大丈夫ですよ」
本当だろうな?なんせ電話越しだ
いつもの倍誤魔化しやすいに違いない
「………本当か?」
「本当ですって!『蓮!すまへん、ちょいいいか?』……すみません、時間切れみたいです」
「悪いな、忙しい時にじゃあまた学校でな」
「はい」
本当に忙しそうで罪悪感があったが、少しでも声が聞こえたので良かった
今日は木曜日、少なくとも今週一杯はいないのか…
早く月曜日にならないだろうか…
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