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パーティー2
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龍宝にエスコートされてリムジンから降りる
……あぁ世界中どこを探しても、彼氏に正体偽って彼氏の家に行く人間は俺だけだろうなー
そんな泣き言を心の中だけにしまって龍宝といろんな人に挨拶しながら奥に進む
中に入ると今日のパーティーの主催者である会長のお父さんは直ぐにこちらに気づき、他の人との話を切り上げやって来た
「今日はお越し頂きありがとうございます」
「こちらこそお招き頂きありがとうございます
本日は生憎うちの鳳は体調不良でこれませんでしたが、花園さんには是非よろしくとの事です」
「本当に鳳さんに会えないのは残念です
一刻も早い体調回復を願っています」
「ありがとうございます、そう鳳に伝えておきます
申し遅れましたが、私は鳳の秘書をしております李 龍宝と申します
隣にいるのが、鳳グループの中枢の会社であるニューヨーク支部副社長の妹ローレン・ウイリアムです」
龍宝に紹介された俺は女性に見えるように上品にお辞儀をする
「これはこれは立派なお嬢さんですね
今うちの愚息の晃を呼びますね」
そう言って通りすがりの使用人に会長を呼ぶように頼む
あーやっぱり顔を合わせなきゃダメか…
でもまぁ顔を合わせて終わりだろう
そんな軽い考えでいた俺はこの後酷く自分は馬鹿だったと思い知らされる
「お呼びでしょうか?」
「立派な息子さんですね
どうでしょう?ちょうど若い者同士が揃った事ですし、若い者は若い者同士で…私達はあちらの方で話しませんか?」
はあ⁉︎えっ?ちょっ俺そんな事聞いてない!
急いで龍宝に目配せすると、龍宝は申し訳なさそうな目を俺に向けた
……あぁそうですか、義父の命令ですか
でも!前もって話しといて欲しい
そりゃ花園家のパーティーに女装して出席するって決まった時に、会長達と顔を合わせる事になるかもしれないと覚悟はしてたよ!
だがしかし!会長本人と2人きりで話すなんて聞いてないし、覚悟してない!
それに今回のパーティー出席の目的はこれじゃない!
「ええ、是非ともこれを機に親睦を深めるましょう」
会長のお父さんはそう言って龍宝を連れて、どこかへ行ってしまった
「英)改めましてお越し頂きありがとうございます。初めまして花園 晃と申します
今日はゆっくりしていって下さい」
俺の心の焦りなど知らない会長は白いスーツに黒いネクタイを着けて、普段見せることのない作り笑顔で、日本人とは思えないくらい綺麗な英語の発音で自己紹介して来た
……かっこいい
じゃなくてどうすんだよ!俺が蓮だってバレたりなんかしたら!
そんな心の中を読まれないように顔を作り、声もいつもより少し高めの声を出すようにする
「いえ、こちらこそお招きありがとうございます。ローレン・ウイリアムと申します」
俺が日本語で返した事に驚きの表情を見せ、その後のローレン・ウイリアムという名前を聞いて眉をひそめた
あーあ、どうすんだよ…絶対ウイリアムで気づいちゃったよ
ロイとローレンが兄妹だって
いや、ローレン・ウイリアムなんて架空の人物なんだけど…
こんな事になったのは遡る事1日前
学校が終わった後、俺は義父に犯人が確定した事を電話で報告した
「ええ、その人物で間違いないと思います
ただ…まだ犯人の目的が分からないので警戒は解かないで下さい」
「……分かった
目的が分かり次第連絡しろそれと、お前は龍宝と明日の花園家のパーティーにローレン・ウイリアムとして出席しろ
お前のいう犯人がそのパーティーに出席する
お前の言う通りなら龍宝がいない明日の夜が俺を殺す絶好のチャンスだと思うだろう、だから絶対に犯人から目を離すな
この私がパーティーに出席しないと分かれば何かしらの動きがある筈だ
パーティーの準備は明日の夕方、龍宝が迎えに行く」
「……分かりました」
女装でローレン・ウイリアムとしてパーティーに出るのはこれが初めてではない
アメリカにいる時はロイと義父、ローレンとして良くパーティーに出席していた
義父の命令通り夕方、迎えに来た龍宝に俺は露出は少ないがノースリーブで、ロングスカートだが切り込みが入っていて、歩くと右脚ががっつり見えるというなんとも言えない青いドレスに着替えるよう言われた
一緒に置いてあるメイク道具で会長と顔を合わせてもいいように念入りにでも濃すぎないように化粧する
メイク道具の隣を見ると金髪でウェーブがかかったカツラと青いカラコンが置かれていた
金髪のカツラはいいとして青いカラコン…もしかして龍宝は俺の目の事知らないのか?
確かに記憶の中では俺が龍宝と会った時はいつも黒のカラコンをしていた気がする
てっきり龍宝には義父から話してあると思ったんだが、違ったようだ
……じゃあ俺と義父の関係を知ってるのは今の所ロイだけなのか
そのロイもどこまで知っているかは分からないんだけど…
そんな事を考えながら準備を終えて、パーティー会場へと犯人を罠にかけて証拠を掴むため、龍宝と向かった
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