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迫り来る影4 晃side
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晃side
瀧達に相談してから、俺は実験をした
蓮が本当に俺を避けているのか試したのだ
結果、明らかに俺を避けてる
俺が意識して2人っきりになろうとするのをことごとく避けるのだ
蓮だって俺が2人っきりになろうとしてるのを分かってる筈なのに、理由をつけて躱されるか、他の奴を巻き込んで煙に巻かれているかのどちらかで絶対に2人っきりになろうとしない
この時点で、いつもならイライラして後先考えず蓮に問いただすのだが、今回はもしかしたらそれが原因かもしれないと思うとそうする事も出来ない
…辛いけど、ここまでされても全然嫌いになれない
それが今の感情だった
そして自分で確かめようとしてやった行動は思った以上に大きなダメージを俺に与えていた
「会長?大丈夫ですか?」
瀧達にも分かるほど露骨に行動していたので、完敗してヘコんでいる俺に心配そうに尋ねてきた
幸か不幸か蓮は朝から風紀委員の手伝いに行っている
「全然大丈夫じゃねー、瀕死状態だ」
「「あっくんをイライラを通り越してヘコませるなんて蓮は大物だね〜」」
「うるせぇ、これ以上精神的ダメージを食らわせんじゃねーよ」
ヘコんでいても双子の言葉にはやっぱり腹が立つ
このまま双子に八つ当たりをしそうになった時、ノックの音が生徒会室に響いた
「誰だ」
「生徒会親衛隊の隊長桜井です」
…どうしたんだ?問題が無ければ滅多に来ない筈だ
「入れ」
「はい、失礼します」
「どうしたんだ?」
「あの…えっと先生にこの書類を会長に届けてくれって言われたので…」
生徒会室に届ける書類は全て蓮に渡すように先生達には言ったんだが…
少し不思議に思ったが、先生も急いでて丁度生徒会室に入れる桜井が近くにいたから渡したのだと勝手に理解した
「おう、ありがとな」
「いえ、それより会長は最近、元気がないように見えるんですが何かあったんですか?」
っ!?
「「あ〜あ、あっくん僕達以外にもバレバレじゃ〜ん」」
嘘だろ…俺どんだけ分かりやすいんだよ!
「やっぱり何かあったんですね!言って下さい!僕は会長の力になりたいんです!」
「あ……やっ、えーとだな」
「会長は最近、蓮君に避けられてて困ってるんですよ」
瀧!言うんじゃねーよ!
俺が言い淀んでいる事をあっさりと暴露しやがった瀧をギロリと睨むが、顔を逸らして平然としている
瀧の言葉に桜井も気づいたらしい
俺がヘコむ事は稀だ、だから桜井も幼馴染みでもなんでもない仕事仲間に避けられたぐらいでここまでヘコむのはおかしいと思ったのだろう
「つまり西園寺さんは会長の彼氏で、その彼氏に避けられて会長は元気がないと言うことですか?」
遂に桜井にバレてしまった
別に隠してた訳ではないが、生徒会親衛隊なんてものに入ってる限りいい気持ちはしないだろう
そんな事は中等部でも生徒会をやっていた時に嫌という程分かっていたが、ここで否定もしたくない
「……ああ、そうだ」
「そうですか…僕にとって会長は憧れ的存在ですからそんなに気にしなくていいですよ
ですが…他のメンバーは微妙ですね、西園寺さんならいいと言う人とやっぱりアイドル的存在でいて欲しいって人に別れると思います
最近は西園寺さんの親衛隊も出来始めていますが、そちらも同じでしょうね」
……やっぱりか
蓮の親衛隊が出来ない筈がないとは思っていたが、そろそろちゃんと作られるのか
「だろうな、だから秘密にしといてくれ」
「分かりました
では、僕が西園寺さんに会長の事を伺ってみます!
なるべく然りげ無く聞きたいので、僕が会長と西園寺さんが付き合っていると知っているのは内緒にしていて下さいね」
「ああ…ありがとな」
「いえ!任せて下さい!」
多分蓮の事だから桜井も赤子の手を捻る様に誤魔化すだろうが、もしかしたらと言う希望もある
それに蓮が俺の事で悩んでいて俺を避けているのなら瀧達には相談しにくいだろうし、そう考えると桜井は丁度いいポジションにいるのかもしれない
ちょうど区切りよく会話が終わった時に、生徒会室の扉が開いた
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