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迫り来る影6 晃side
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晃side
生徒会室に戻ってきた蓮は、桜井に天使の微笑みを披露しながら話しかけて来た
……何でそんなに嬉しそうなんだよ!
俺の事は避けるくせに!
「桜井さん、お久しぶりですね
何か問題でもあったんですか?」
「いえ、先生にプリントを届けるように言われて来たんです」
「……そうですか、俺のミスですね
わざわざすみません」
「いえ!気にしないで下さい
僕は暇ですから」
蓮のミスという言葉で珍しいなと思い、桜井から渡されたプリントを見る
「おい、このプリント昨日俺がサインして今日の朝、蓮が風紀に持ってったやつだぞ」
プリントの内容がすっげーくだらねぇ内容だっからよく覚えている
学食のカレーにピーマンを入れるなっていう奴らに対して、ピーマンの栄養の豊富さを園芸部の奴らがぎゃーぎゃーと食堂で騒いで風紀が取り締まった事件だ
ほんとくだんねー
ピーマンが嫌いなら残せばいいだけの話だ
しかしそんなくだらない事でも騒ぎが大きくなる前に処分を下さなければ、大事になりかねない
生徒の処分の決定の仕方は、風紀が取り締まった後、担任の先生に報告して、担任の了解を得た後に俺のサインでその生徒の処分をする事が出来る
その為のサインを昨日した所だ
今回は誰にも怪我がなかった事から3日間の食堂の使用禁止が処分となっている
蓮にプリントを渡すと蓮も思い出した顔をして、頷いた
「そうですね、今日の朝風紀委員室に届けて俺が処理して来ました」
やっぱりな…
「つまりは蓮のミスっつうより先生のミスだな」
「……一応風紀の方に今から確認しに行ってきます
問題があって作り直したのかもしれませんし」
「そうだな、頼んだ」
「はい」
最近では見慣れたが、蓮は虎賢さんを連れて生徒会室から出て行った
…なんだよ
散々避けてたくせに仕事の話だけは普通にしやがって
蓮の考えている事が本当に分からない…
蓮の背中を見ながら重い溜息を吐いたのは言うまでもない
「あの!会長に尋ねたい事があるんですが…」
桜井が何か良いことを考えついたというような声で大声を出したのは、蓮が部屋から出て行って時間がそれ程経っていない時だった
「なんだ?」
「明日の予定はありますか?」
明日は…土曜日か
…これと言って何もないな
まあ部屋の掃除をしておこうとしたぐらいだ
「ないな、それがどうしたんだ?」
「では、明日の朝10時に駅前のカフェで待ってて下さい」
「なんでだ?」
「僕と西園寺さんの事について外で話し合いませんか?
寮だと隊長自ら規則を破る形になってしまうので、外でお願いします」
「おう、分かった」
「それと、僕が思うに西園寺さんは会長の事を嫌って避けているのではないような気がします」
「…なんでそんな事が分かるんだよ」
「「あ〜それ僕らも分かる気がする〜!」」
はっ?
「ですよね!さっき西園寺さんは俺を見て泣きそうな顔をしてたんですよ」
な…んで……
「…やっぱり桜井君もそう見えましたか」
「「だよね〜!ちーちゃんも気づいたって事はあっくんだけじゃない?気づかなかったのは〜」」
えっ?は?
「じゃあなんで避けるんだよ?」
「分かりませんが、兎に角今言えることは蓮君は避けたくて避けてるんじゃないかもしれないって事ですね」
…避けたくて避けてるんじゃない
「それは明日の10時になれば分かりますよ」
「桜井君は明日の10時までに蓮君に聞くつもりって事ですか?」
「僕に任せて下さい!
では、明日の10時にカフェで!」
桜井は誤魔化すようにニコリと笑って、元気よく生徒会室を飛び出して行った
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