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最悪な事態2 晃side
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晃side
「…くん……花園君!」
虎賢さんの呼ぶ声で意識が戻った
「……ん…ここは…」
体を起こして周りを見ようとして、手が後ろで縛られていることに気づいた
「気がついたんやな…よかった」
どうにか座って周りを見渡すとここは廃工場のような場所だった
人の話し声が聞こえるが、荷物が積まれていてそちら側は見えない
それでも真っ直ぐ前を見れば出入り口があった
「なんでこうなったか虎賢さんは知ってるんですよね?」
拐われる前虎賢さんは俺は関係ないと叫んでいた
つまり虎賢さんには心当たりがあるという事だ
「兎に角話は後や
どうにかしてここから移動したいんやけど、花園君は動けそうやろか?」
「動けます」
犯人に気づかれないように小声で喋り、なるべく静かに縄を解こうと足掻いていたが俺達を連れ去った奴とは別の奴がこっちに来てしまった
「おい、動くなそこでじっとしてろ
組長!こいつら起きましたよ!」
「分かった、今行く」
組長……こいつらヤクザか!
組長と呼ばれた奴が俺達の方へやって来てじろじろと見てくる
「初めまして九十九里 虎賢君、花園 晃君
俺の名前は大鷲 五郎…多分名前ぐらいは聞いた事あるんじゃないかな?」
大鷲…
あの日本1の暴力団組織の大鷲組の組長か⁉︎
大鷲はニコニコと聞いてくるが、本能が危ないと警告をしている
その証拠に目が全く笑ってない
「あぁ聞いた事あるで、ただの人数が多いだけの不良の集まりやってな!」
「こいつっ!」
挑発した虎賢さんを黙らせるため、組員が虎賢さんを殴ろうと胸元を掴み上げる
!
「止めろ、傷なんかつけてあいつを怒らせるつもりか」
「……すんません」
さっきとは比べ物にならない程、声に威圧感がある大鷲に止められた組員は、殴ろうとしていた手を下げ組長の一歩後ろに下がった
やっぱりこいつは危ない…
それにあいつって誰だ?
「はっ何寝ぼけた事言うとんねん
花園君を連れ来た時点でもう十分怒っとると思うで」
なんでそこで俺が出てくるんだよ?
懲りずに大鷲を挑発する虎賢さんにいまいち読み込めない状況を説明するよう目で催促するよう見つめるが、目を逸らされた
「随分と生意気なガキだな…」
大鷲がそう呟くと後ろに下がった奴に目配せする
目で命令された組員は虎賢さんに近づいて頬を殴った
「っ!」
「虎賢さん!」
「これ以上こいつに怪我させたくねぇならあいつに電話しろ」
だからあいつって誰だよ!
「……あいつって誰ですか?」
これ以上危害を加えられないように慎重に言葉を選んで聞く
「決まってるだろ、鳳 蓮だよ」
はっ?蓮に電話?
…つーか今なんて言った
「……おお、とり?」
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