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真実1 晃side
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晃side
蓮はスーツにサングラスをかけていた
こんな状況にも関わらず、かっこいいとか思った俺はもう末期だろう
「…ははっ、こりゃあ随分と早いお着きだなぁ?詐欺師様?
まっ、俺が見込んだだけあるって事か…」
「そりゃどーも、それより…虎賢に何してくれてんの?」
華麗に詐欺師という所をスルーして蓮は低く鋭い声で大鷲を威嚇した
その声にゾクリと冷や汗が背中を流れる
椎名の時より断然怒ってる事が分かるし、これは怒気より殺気に近い
「へぇ、蓮君は監視役にも優しいんだな」
大鷲がふざけた口調で蓮を煽った
「馴れ馴れしく名前呼ぶの止めて下さい
俺の名前は俺が認めた人間にしか呼ばせないと決めてるんで」
「……」
口調は敬語で別に命令している訳ではないのだが、今の蓮が身に纏う空気はまるで従えと言っているようだった
その空気に大鷲は顔を引きつらせ、こめかみから汗を一筋流した
雰囲気だけで大鷲をここまで追い詰められるのは本気で蓮が怒っている証拠だろう
「…ちょっ待ち!俺は監視役とちゃう!お前らが蓮の命を狙うから守っとっただけや」
虎賢さんの言葉に心臓がドクンと跳ねる
…なんだよその話
「命を狙ぅ?何言ってんだ?俺は組に誘おうとしただけだぜ
お前はあいつが鳳 夏樹を裏切らないか見張るのに使われてたんだから監視役だろ」
「…言っときますけど虎賢にそんな気はないからそんな事言っても分かりませんよ」
は?蓮は何言ってるんだ
それじゃ親父さんが蓮を疑ってるみたいじゃないか
「なんで総帥がそない心配せなあんねん
自分の息子やから蓮が裏切らない事ぐらい分かってるやろ、そないな事せなあかん理由があらへん」
「アハハハハハ」
虎賢さんの言葉に大鷲やそこにいた俺や虎賢さん、蓮を除いた全員が笑い出した
「なんだこいつらに言ってないのか!…まぁそんな簡単に言えることじゃねぇか」
「……」
「なんや?なんの話や」
「そうだ、一ついいことを思いついた
真実……過去を知られたくはないだろ?この2人に黙ってて欲しかったらそれを条件に俺の組に入れよ」
虎賢さんでさえ知らない蓮の過去をこいつらは知ってるのか⁉︎
「そうですね、知られたくはないです …でもその条件は呑めませんね
俺は最悪知られても構いませんから」
「チッ、強がってんじゃねぇよ
じゃあ3億!これでどうだ?」
こいつら蓮を買収しようとしてるのか?
それに対して蓮が不敵に微笑んだ
「そんなはした金で俺が買えるとでも思ってるんですか?」
3億がはした金って…
確かに鳳グループならその額ははした金かもしれないが…
「じゃあお前はいくらで買われた」
は?買われた?
「何の話や?何訳の分からん事言うとんねん
諦めぇや、蓮はあんたらの口車に乗ったりせえへん」
「……そうだなさっき本人にも最悪知られても構わないって許可も出た事だし教えてやるよ
あいつは鳳 夏樹に金で買われてんだよ」
嘘だろ
血の繋がった親子じゃないのか?
「な、んやと…ほんま、なのか蓮?」
「…まぁ100億ぐらいで」
「「っ!」」
蓮はこちらを見ずにさらっと言って退けたが、これはそんなに軽い話ではない
鳳グループがした事は人身売買だ
「…確かにそれじゃ3億ははした金だな
しょうがねぇな実力行使と行くか」
そう言って大鷲は懐から拳銃を取り出し、蓮に向けた
一方銃を向けられた蓮はどこ吹く風で、その様子は余裕すら感じる
そして大鷲は躊躇なく引き金を引いた
「「蓮!」」
パンっという銃声に反射的にギュッと目を瞑った
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