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あの日以来、嫌がらせは嘘のように収まり、智くんの言い付けに従ったのか、小野寺くんは僕に丁重に謝罪してきた。
それを笑顔で許すと正ちゃんに甘いと怒られた。
噂の件もあり、呼び出しには応じず、正ちゃんがいつも以上にベッタリと張り付くのを苦笑しながらも嬉しく思っていたが、【 佐倉の私物!! 】と書かれた手作りのプラカードを首から提げていろと言われたのにはギョッとして、断固拒否した。
5月に入り、噂も沈静化を見せた頃、差し迫る家内安全・五穀豊穣を祈願する祭礼を前に、僕は久しぶりに禁欲を申し出る。
...ついに来たか。
神社の祭事スケジュールを完璧に頭に入れている俺はやはり来たか。と納得したが、実に3ヶ月振りとなる禁欲は思っていたよりきつく、まだ禁欲4日目の今日、既にそれが苦痛になって巫女に盛大に訴えている。
「 ダアッ!!もう無理だっ!!限界だっ!!巫女の匂いがするだけでちんこが痛てぇ!!」
「 なっ!? 止めてよっ!!こんな所でっ、もう正ちゃんなにも言わないでぇ~!」
教室でとんでも無い事を大声で言う正ちゃんに、僕は顔を真っ赤にして半べそだ。
「 ......おまえは変態か。」
呆れ顔で言う智くんに、「うっせぇ!!」と返すと、正ちゃんは机に突っ伏した。
「 ....あ~、まだ火曜だろ?あと6日もあんじゃねぇかぁ...。俺の葬式の準備しといて...。」
「 あいよ。おまえの右手は年に何回葬式挙げんだろな?オナペットとゴム手代もばかんなんねぇよ。」
そんな2人のやり取りを困った顔をしながら見ていたが、実のところ僕も凄く我慢していた。
正ちゃんのインフルエンザ以降、取り立てて大きな祭事も無く禁欲をする事が無かった。色々あったからか頻繁過ぎる程身体を繋げた結果、今までに無く疼く身体を僕は持て余している。
況してや正ちゃんに作り替えられた身体は、自慰では既に達する事が出来ない事も知っている。
勿論、祭事を前に穢れを祓おうと禁欲を申し出ているのだから、自慰などする気は無いのだが、
.....正ちゃんより、きっと僕のが我慢してるよ。
そんな事を思いながら、僕は盛大にため息を吐いた。
「 あーっ!!なんだそのため息っ!!どーせ、正ちゃんはどうしようもないなぁ~。とか思ったんだろ!思春期なんだよ!いつやるの?今でしょ!って感じなんだよっ!!」
「 ふるっ!!」
智にうっせぇ!!と返すと、視界の端に小野寺が写る。
「...おら智、ストーカーが迎えに来たぞ。」
...ストーカー?ああ、小野寺くんか。
正ちゃんの言葉に教室のドアを一瞥すると、小野寺くんがモジモジしながら智くんに手を振っている。
「 なんか可愛いいね!」
「「 どこがだよっ!!」」
あれから毎日、休み時間ごとに別棟からわざわざ智を見に来る駿をそう言った巫女都に正太郎と智は盛大に否定したが、巫女都は微笑ましく思っている。
でもやっぱり一生懸命で、可愛い。
多分に嫌がらせもされたし、怖い思いもしたけど、好きな人に一直線な小野寺くんを本気で健気な可愛い子だと思う。
「なんとかしろよ正太郎~、アイツ、便所まで着いて来んだぜ?おちおち小便も出来ねぇよ...」
「 ...一回やってやりゃいいんじゃね?余りの出来の悪さに、何時かみたいに翼生やして逃げてくだろ。」
「 まだ言うかおめぇわっ!!やられる方は兎も角やる方はイケてるっつーの!!」
正ちゃんの首を絞めてガクンガクン揺らす智くん。それをムッとした顔で見つめてる小野寺くんを見て僕は慌てた。
「 さ、智くん、正ちゃんに触んないでっ!...小野寺くん凄い顔で見てるからっ!!」
なにっ!?...やばい、非常にやばいっ!!
巫女の言葉で、バッと向いた先に鬼の形相で俺を見つめる小野寺を見て慌てた。
「...おい智。2度と翼の名前は出さねぇ。だからアイツに笑顔で手ぇ振れ!!」
「 やだね。」
くそ野郎!!このままじゃ、アイツにターゲッティングされちまうじゃねぇーか!!
「 ダアッ!!智っ!!俺の事愛してるだろっ?頼むからやってくれっ!!」
「しょ、正ちゃんっ!!ダメだってっ!!......あっ、」
あーあ、正ちゃん地雷踏んじゃった...。
その言葉を聞いた小野寺くんから殺気が見えた気がして、僕は正ちゃんにそちらを見るよう促した。
.....やっちまった。
俺の顔を見て、悲愴な顔で駆け出した小野寺。
「...............終わった。」
俺は明日から平穏無事な生活は望めないと思った。
その予想の通り、次の日机と下駄箱がメチャメチャだった上、クラスメイトからまた奇妙な三角関係を疑われる事となる。
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