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「...巫女ちゃんどったの、日増しにグロッキーになってくけど...」
「あー、...疲れてんだろ。」
朝から机に突っ伏す巫女都を見て、智は心配そうに聞いている。
巫女都の懇願虚しく、正太郎はあの日から毎日巫女都に手伝わせはしないものの、自慰を見せつけ巫女都が根を上げるのを待っていた。
...頑固だからこういう事になんだよなぁ。
巫女は結局シタいとは言ってこなくって、明後日に控えた祭礼まで堪えるつもりらしい。
ただ、智が言ってたように、日増しに元気が無くなってるのは、色欲と闘ってるからだ。巫女の顔に情欲の色を垣間見る度、俺は自制が利かなくなり、結局巫女の前で自慰をする。
...トレンチコートでも着りゃ春特有の立派な変態だな。
トレンチコートなど着なくても、第三者から見れば十分変態だが、おつむの弱い正太郎は気がついてない。
「 げっ!! ...また来やがったマジであれ、何とかしてくれよぉ~。」
智の言葉に廊下側を見ると、小野寺が俺に殺気立った視線を送ってる。
...うっぜ。
獅童に激怒されたせいか、机こそ無事なものの、一緒に出掛けた日から、俺の下駄箱は一層酷い有り様だ。
コンドームは無いものの、精液が直でかけられてるようで、酷く雄臭い。どうせ片付けた所で、また明日になれば同じような事になるから俺は敢えて片付け無い。それなのに巫女は毎日俺の下駄箱を掃除する。
「...何とかして欲しいのは俺の方だ。あのくそチビに俺の下駄箱触んなって言え。巫女にアイツのザーメン触らせんのマジでやだ。」
「じゃ、おめぇがやれよ!!」
吠える智をシカトしてると、巫女が小野寺の所に歩いていくのを視界に捉えた。
巫女都は今日こそちゃんと駿と話をしようと、心に決めていた。獅童に指摘された事もあるし、何より周りに迷惑だと思っていた。
...緊張する。何とか誤解を解かなくっちゃ。
人を咎めたり、窘めたりするのは殊の外緊張する。
「...あの、小野寺くん。ちょっといい?」
「 何ですか?」と声を掛けられた事に不満げに返答をした小野寺くんに、ここじゃアレだから、と僕は階段下の人目につかない場所まで連れて行った。
「...あのね、正ちゃんの下駄箱を汚すの、止めて欲しいの。周りにも迷惑だし、それにあんな事したら、智くんに好きになって貰えないと思う。」
僕の言葉に小野寺くんは俯いて何も言わない。どうしたらいいか困っていたら、小野寺くんが漸く口を開いた。
「 何をしてもしなくても、きっと好きにはなって貰えません...」
小野寺くんに返す言葉が見つからなかった。人の気持ちの問題に触れるのは、とても難しい。
「.....辛気臭ぇなぁ。」
「......正ちゃん、」
振り返った先に、正ちゃんが居て苦笑しながら僕の頭を撫でる。
「 おい小野寺、巫女に恋愛相談しても無駄だぞ。俺以外と付き合った事ねぇし、他の奴好きになった事もねぇんだから。」
「 そ、相談くらい、...のれるもん。」
正ちゃんの言う通り、僕は事恋愛に関して言えば、他の誰よりも疎いと思う。経験も無いし、性への目覚めも遅かった。けど、話を聞いてあげる事くらいは出来るはず。
アドバイスは出来なくても、誰かに胸の内を晒けだせば、楽になるかもしれない。ちょっと拗ねた僕を無視して正ちゃんは話し始めた。
「 おまえさ、誰かに好かれたかったら、先ず人を妬んだり憎んだりするの止めろ。んな事してたって何にも生まれねぇだろ?智が好きだったら、本当のおまえ知って貰えよ。今ん所、智の中では、陰険なくそ野郎だとしか思われてねぇよ。」
「 しょ、正ちゃんっ!」
はっきり過ぎる正ちゃんの物言いに、小野寺くんの顔が歪み、僕は慌てて窘めたけど、正ちゃんは続けた。
「 けどよ、今どん底なら、あとは上がるだけなんだから、もっと上手い具合に自分出してみろよ?あいつ良い奴だから、友達くらいにはなってくれんじゃね?」
その言葉に小野寺くんは泣き出した。正ちゃんはギョッっとした顔でオロオロしてる。
「...ぁりがと...ござぃます」
消えそうに小さな声でそう言った小野寺くん。励ましてくれたことが、嬉しかったんだと思う。
正ちゃんを見上げると、ちょっと照れた顔してて、眼が合うと「 行くぞ。」と僕の手を引き、歩きだした。
「 正ちゃん格好良かった!惚れ直したよ!」
「 じゃあ、帰ったらヤらせろ。」
「 なっ!? なんで直ぐそうなるの!?...前言撤回。」
ぷぅと膨れた僕を正ちゃんは笑ってた。
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