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「 小野寺、俺で両方試してみねぇか?」
智の言葉に、小野寺と巫女は途轍もなく驚いている。
「...おい智、セックスの誘いより先に言う事あんだろ。」
「 あ、やべっ!」
...手が掛かる奴だな。
俺の言葉に居住まいを正し、小野寺に向き合った智は真剣な眼差しで見つめて言った。
「 好きです。俺と付き合ってくれないか?」
巫女は俺の手をギュッと握って緊張してる。
...おい、返事はどうなんだよ
何も言わずに眼を見開いてる小野寺に、俺まで緊張してきちまう。
「....あの、...本気で...言ってますか...?」
「 凄げぇ、本気。」
「 ........っ、...」
その言葉に泣き出した小野寺に、智も巫女もオロオロしてる。
「...っ、...付き合いたいですっ、...お願いしますっ、」
「 マジかっ!? やったぁ!!俺、やりましたっ!!」
喜ぶ智を見て、俺と巫女も顔を見合わせて笑った。
「正ちゃん、僕カップル誕生に立ち会うの初めてなんだけどぉ~!感動っ!!」
勢い付けて俺に抱きつく巫女をそのまま膝の上に抱えていると、
「...古すのおまえらにイチャイチャされると、やりづらいんですけど。」
智の指摘に顔を真っ赤にして膝の上から降りようとした巫女をがっしりと捕まえ、
「 知るかんなもん!悔しかったらやってみやがれ、このヘタレ!」
「 んだとこの野郎!!おい、小野寺!こっち来いっ!!」
剥きになった智が小野寺を抱え込む。
「 ねぇねぇ正ちゃん、これって作戦?」
...いや、全然。
耳打ちで聞いてくる巫女に内心そう思うも、肯定すればちっとくらいエロい事しても怒られないのでは?と疚しい考えが湧く。
「 そうそう。試しに巫女からチュウしてみ?」
「 えっ!?.....無理。」
俯いた巫女にあいつらの為だと思って。と智達を見るよう促す。
2人ともくっついたまま地蔵状態で、会話はおろかピクリとも動かない。
...おっ?揺らいでますな?巫女都さん、ぶちゅっとお願いしますよぉ~。
巫女の俺の服を握る手に力がこもるのを見て、俺はだめ押しする。
「 2人に上手くいって欲しいんだろ?キューピッドしたんなら、手引きしてやんねぇと。な?」
「...うん。...頑張ってみる」
赤面しながらも俺の首に腕を回し、顔を近づけてくる巫女を驚いた顔で見つめる智と小野寺。
...サービスショットだぞ?よく見とけよ?
2人きりなら兎も角、他人が居る前で巫女からキスしてくるなんて激レアだ。なんとも言えない高揚感を味わっていると唇が重なった。
俺が巫女の唇の隙間に舌を挿し込み舐めると、おずおずと薄く開いた唇にその舌を入れ、巫女の舌と絡めた。
わざと水音を立ててその口づけを堪能すると、唇を離した時には巫女はこの上無く真っ赤になってて、羞恥で智達を見れないせいか、俺の胸にポフッと寄り掛かった。
「 ...なにそれ、超ー可愛いんですけど。ちょっと小野寺、アレやって?」
「いや、無理ですってば!」
やいのやいの言い合う二人を見て、ざまあ。と思うけど、俺は一つ失念していた。
俺は今日から禁欲を強いられる。
...策士、策に溺れる状態じゃねぇか。...自ら苦行を選んじまった。
完全にお目覚めの小太郎に、心の中で詫びるも許しては貰えそうも無かった。
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