アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
70
-
「...あのクソ野郎!マジでこてんぱんにしてやる!!」
翌日の昼休み、まだ怒りの収まらない正ちゃんはずっと同じ事を言っている。昨日も帰ってから、えっちしてる最中まで「 巫女のが可愛い。」と連呼してて、嬉しいけど何だか複雑な気持ちだ。
別に他人がどう言おうと、僕は正ちゃんがそう思ってくれてるだけで良いのに、正ちゃんはそうでは無いらしい。
「 あれ~?さっちんいませんか?」
.......さっちん?
教室に入って来た小野寺くんの言葉に僕がキョトンとしていると正ちゃんが、
「......どちら様をお探しですか?」
「 やだなぁ~!俺がココで探すのなんて、結城先輩に決まってるじゃないですかぁ~!」
ちょっと恥ずかしそうに言う小野寺くん。
正ちゃんはなぜか大爆笑してる。
「 智くん、今購買行ってるよ?」
「 おっ?帰って来たぞ!お~い!さっちん、小野寺が待ってるぞぉ~!」
言った後、またゲラゲラ笑う正ちゃん。
「てめぇがさっちん言うな!!シュンシュン、待たせて悪りぃな!」
「 シュンシュンだって!ウケる!!なんだよそのパンダみてぇなネーミングはっ!!」
完全にバカにしてる正ちゃんを、智くんも小野寺くんも睨み付けてる。
「時間勿体無いから行こっ?ねっ?」
慌てた僕は二人を引っ張り、いつもの外階段に向かった。
智くんと小野寺くんが付き合うようになってから毎日4人でお昼を食べるようになり、出来立てホヤホヤカップルの2人は常にラブラブだ。
お昼を食べながら正ちゃんが昨日の事を一生懸命話しているけど、「 あ~ん。」とお昼を食べさせ合ってる2人は殆んど聞いて無いように見える。
「......おいおまえら、目が腐るからいい加減やめろ。」
「 羨ましいんだろぉ~!」
「 今すぐ死ね。」
智くんは凄く楽しそうだ。
...大目に見てあげれば良いのに。
僕がそう思っていると、小野寺くんが小首を傾げて聞く。
「 獅童って、俺に突っ掛かってきたあの人ですか?」
「あ?...ああ、そうそう。」
正ちゃんが思い出したように頷くと、小野寺くんが僕の手をギュッと握り鼻息荒く言ってきた。
「 桐谷先輩!あの人やっつけちゃって下さい!!俺、凄っい応援しますから!!」
「..............えっと、」
まだ決まってもいない事だし、やっつけろと言われても、困る。
僕が困惑してると智くんが、
「 獅童のなにが嫌なの?」
「 あの人、あの時俺に凄い暴言浴びせてきて本当に傷ついたもん!大っ嫌い!」
「「...ありゃおめぇが悪りぃだろ。」」
正ちゃんと智くんの言葉が、ピッタリ被ると小野寺くんが「 二人とも酷い!」と半べそをかいている。
「まぁ、何にせよ赤城の野郎をけちょんけちょんにしてやる!!おい小野寺、アイツどんな奴だ?」
「 んー?爽やかなイケメンです。頭も良いし、1年の中じゃ群を抜いて人気です。」
小野寺くんの言葉に正ちゃんが「 あっそ。」と自分で聞いておきながら気の無い返事をする。
「...おい正太郎、巫女ちゃんと獅童だけの戦いならダントツで巫女ちゃんが圧勝するだろうけど、赤城人気で票が流れたらマズイんじゃね?」
「...あー、んな事全然考えてなかった。巫女!!気合い入れろよ!!」
拳をつき出す正ちゃんを僕は普通に無視した。
「 こら巫女、無視すんじゃねえ。やる気あんのか?」
「 無いよ。だって女装も、白雪姫もやりたくないもん。」
「 ダアッ!!ばか野郎!プライドの問題だろうが!」
ツンとした態度を取る僕を、正ちゃんは延々と説得していた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
70 / 301