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翌日の放課後、僕と正ちゃんは生徒会役員に呼ばれた。
そこには学年合同演劇に出演する人達が集まっていて、全員揃うと生徒会長の田中くんがスクッと立ち上がり言った。
「 先日の件ですが、結果から言いますと通りました。」
「良しっ!!よくやった田中!頑張るぞ巫女!!」
...頑張らないよ。
全くやる気の無い僕は、口に出すとまた正ちゃんが煩くなるので心の中で思う。
「 ただ、それの為だけに時間を割く事を学校側が渋りましたので、朝礼という形で始めて1限目に食い込ませる事にしました。それから急遽なので、予算降りませんでした。なので、申し訳ないのですが、端から学校にあるものか、実費で用意して貰うかになります。」
田中くんの言葉に、正ちゃんも赤城くんもそれで構わないと言う。
2人の間に火花が見える気がする。
「 一応、各自2着用意して貰い、1着目は各々パートナーと出て、2着目着用時には特技を披露して貰おうかと思っています。桐谷くんも獅童くんも宜しいですか?」
「 え、全然宜しくないです。全くやりたくありません。」
「 こらーっ!! 巫女やる気出せっ!!」
普通に拒否の姿勢を示した僕に、正ちゃんが隣でキャンキャン言っているけど聞こえないフリをする。
「僕はそれで構わないけど、これ僕にメリット無いから一つ条件出しても良い?」
......条件?
唐突に言い出した獅童くんの言葉に、嫌な予感がする。
田中くんが「何でしょう?」と先を促すと、獅童くんは真っ直ぐに正ちゃんを見つめて言った。
「 僕が勝ったら、佐倉くん1日僕の彼氏になって?」
「 えっ!!? そんなの、」
「 良いぜ、その条件飲んでやる!」
「 はぁ!!? 正ちゃん本気!?そんなのダメに決まってるじゃん!?」
慌てふためく僕に正ちゃんは「じゃあ勝つしかねぇな?」と言って不適に笑う。
「 不参加でも不戦勝とみなして1日彼氏やってもらうから。」
.....じゃあ僕に選択肢無いじゃん。
「 だってよ?」とニヤリと言う正ちゃんに膨れっ面を向ける。
「......分かった。...やる。」
参加する以外の選択肢の無い状況で、僕は渋々頷いた。
「では両者参加という事で、週明けの朝礼の時にコンテストをして即日結果発表出来るようにします。では解散。」
田中くんの言葉を受け、僕は足早にその場を後にする。正ちゃんが慌てて呼んでるけど、待ってあげない。
それを見送った獅童は、赤城に擦り寄った。
「....ねぇ、赤城。必ず僕を勝たしてよ?」
「 その報酬になにくれるんですか?」
「 1回くらいヤらせてあげるよ。それで十分でしょ?これは契約料。」
徐に獅童は赤城に口付ける。2人のやり取りを知る由も無く、巫女都と正太郎は廊下を進んでいた。
「 ...巫女待てよ、んで怒ってんだよー。」
足早に歩いても、例え走ったとしても正ちゃんと僕とじゃリーチが違う。振り切るなんて土台無理な話だ。
僕はピタッと足を止めて正ちゃんを見る。
「なんでって分かるでしょ?正ちゃんがあんな約束するからじゃん!!正ちゃん分かってる?獅童くん、デートしてとかじゃ無く、1日彼氏になってって言ったんだよ?」
「 勝ちゃいんだからどっちでも良いだろんな事。」
....簡単に言わないでよ。
楽天的な正ちゃんを見てため息が出る。
1日彼氏という事は、デート以上の事を期待してのことだろうと思う。正ちゃんが1日だけでも他の人の彼氏になる。そんなのは途轍も無く嫌だけど、勉強や運動での勝負で無い以上、僕には頑張りようが無い。
そう思うと途方に暮れて、隣で無駄に闘志を燃やす正ちゃんに凄くイラッとした。
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