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みぃくん【ほのぼの】
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「みぃくん」
俺は、俺のセータを着て……俺のセータをだけを着て、床にぺたんを座り、両手でマグカップを包み、コーヒーを冷ましている瑞月くんに、声を掛ける。
瑞月くんは、一瞬、ぴくっとした。
でも、俺の声が聞こえていないように、コーヒーに息を吹きかけ続ける。
俺、狭山 幸也はやっと、瑞月くん……田中 瑞月と結ばれた。
「みぃくん」
耳元に口を寄せて、囁くように呟いた。
「うわっ……ぶっ」
瑞月くんは持っていたマグカップを落としそうになる。
少し、恨めしそうに俺を見上げる。でも、その顔は少し、頬が染まっている。
あぁ、可愛いなぁ。
「ははっ……」
思わず笑いが漏れる。
「笑わないで下さいっ」
面白くなさそうに、またコーヒーに視線を戻す。
俺は、瑞月くんの頭をゆっくりと撫ぜる。
少しずつ、怒っていた表情が、拗ねるような、甘えるような表情に変化する。
優しく頬にキスをする。
「ちょっ、待って……」
そのまま口づけしようと思ったら、マグカップで少し温められた手で静止させられた。
「コーヒー、飲みたい……です」
キスからそのまま押し倒そうとしていたのが、読まれていたようだ……。
困ったように俺を見上げる。
俺はすっと身体を引く。
少しだけ、沈黙。
「もう一回、呼んで……下さい」
コーヒーに目を向けたまま、瑞月くんが言葉を紡ぐ。
俺が黙っていると、瑞月くんはしゅんとして、少しコーヒーを啜る。
「みぃくん」
嬉しそうに、俺を見る瑞月くん。
「僕……狭山さんのその声、好き、です」
ゆっくりとコーヒーに視線を戻しながら、呟いた。
嬉しそうに、幸せそうに、呟いた。
「俺の……みぃくん」
瑞月くんの頭に腕を回して抱え込み、そっと髪に口づけた。
瑞月くんは、ふふっと、やっぱり幸せそうに笑った。
あぁ、本当に、可愛い。
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