アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
みぃの風邪【ちょい真面目?】2
-
気が付くと僕は自分のベットで横になっていた。
テーブルの上には市販の風邪薬が無造作に置かれ、頭には少し乾いた冷却シートの感触。
身体が少し、楽になっていた。
視線を巡らせると、キッチンに幸也の姿があった。
「ゆき……?」
掠れた僕の声。でも、幸也はすぐに気付いて、僕の傍に来てくれた。
「大丈夫ですか?」
優しく僕の額に手を当てる。幸也の手は少しヒンヤリとしていて気持ち良かった。
「うん……」
コクリと頷く。
ふと、思い出したかのように、幸也の顔が少し曇った。
「……なに?」
心配になり、僕は問う。
「なんで……連絡、くれなかったんですか?」
困ったように、淋しそうに言葉を発する幸也。
「ごめん……、心配、掛けたくなくて。迷惑だと思って……」
幸也は、ふぅっと大きなため息を吐いた。
「迷惑ってなんですか? 俺、みぃの恋人ですよ、彼氏……ですよね?」
少し、怒張したような声で僕に問う。
「だって……男の僕がこんな格好悪い……だらしない姿……見せたく、ない」
ぼそぼそと呟いた僕に、幸也は呆れたように言葉を発した。
「みぃ……、みぃは気にし過ぎです。俺は、そのままのみぃが好きなんです。だらしなくても、弱っていても……、みぃはみぃです」
幸也は僕の頭を撫ぜながら、悲しそうに言葉を繋ぐ。
「俺の前で我慢するの……やめて、下さい」
懇願するように、僕の目を覗き込む。
「ごめん……なさい」
僕は謝ることしかできなかった。
僕の気遣いが余計に、幸也を悲しませた……。
ごめん、幸也。僕はもう少し、素直になります。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
10 / 86