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以心伝心 みぃの場合【ほのぼの】1
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「ただいまぁ……」
家に入り真っ暗な、誰も居ない部屋に呟く。
毎日の残業に心が疲れていた。
時間は夜中の12時を回っていた。
幸也に会いたいなぁ……。
ずっと会えていない。
仕方がない。お互いに仕事をしていて、忙しい職種。
1週間会えないのなんてざらだった。
毎日会えていた、あの頃が懐かしい。
声、聴きたい……。
思ったところで、電話をする勇気はない。
こんな時間に電話をしても、きっと迷惑でしかない。
淋しくなり、枕をぎゅっと抱きしめてみる。
はぁ~……。
余計に淋しくなる。
ブー……ブー……
こんな時間に誰?
スマホの画面を見て、思わず、落としそうになった。
幸也からの電話だった。
「はいっ!」
電話の向こうでふふっと笑う声が聞こえた。
『こんな時間にごめんね』
「ううん。大丈夫」
『なんか……声が聴きたくなって。もう、寝てました?』
ははっと照れたように笑う、幸也の声が届く。
「ううん。いま、帰ってきた……とこ」
嬉しくて、涙が出た。淋しさが波のように押し寄せてきた。
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