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失敗だったかも『立花さんへのお礼編3』 【ほのぼの】
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土曜日は幸也も僕も休みだった。
幸也が作った昼食のベーコンエッグを運ぶためにキッチンに入る。
立花さんとの話を思い出し、幸也に、明日、お礼にご飯をご馳走したいから家に呼んだことを伝えた。
「昼ですか? 夜ですか?」
何も考えていなかった……。
頬にキスをされて、そこで話が止まっていた。その後、話を詰めていない。
頬にキス……思いだし、僕の顔が徐々に赤みを帯びる。
「みぃ?」
怪訝な顔をして、幸也が僕の顔を覗き見る。
僕の顔はますます赤くなる。
「何か、ありました?」
幸也が不審な声で僕に問う。
「か、からかわれた……?」
幸也の眉がぴくっと動く。
「この前の、泣いてた時の……写真で、『お礼は?』って……」
幸也は、片手で顔を覆う。もう一方の手は、拳が握られ、ふるふると震えていた。
あぁ、幸也が怒ってる……。
言えない。キスを迫るようなからかわれ方されたんなて、絶対言えない。
言えない。頬にキスをされたなんて、絶対言えない。
幸也は絶対、立花さんを殴っちゃうよ。
ふぅっと幸也は一息つくと、僕にいつもの優しい笑顔を向けた。
「明日来たら、消してもらいましょうね」
そう言って、僕の頭をくしゃっと撫ぜた。
ケンカにならないといいんだけど……。
呼んだのは失敗だったかな?
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