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入り混じる感情『立花さんへのお礼編6』 【真面目?】
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言えない。だって言ったら、幸也はもっと怒るでしょ?
「ごめん…さない」
僕の口から出たのは、謝りの言葉。
幸也を怒らせるようなことは、話したくない。
「瑞月は俺に謝らなきゃいけないことしたんですか?」
幸也の声色が怒りを含んだ。
立花さんが僕にキスをせまり、からかった。
立花さんが僕の頬にキスをした。
僕は、ちゃんと断ったよ。浮気は出来ないって、断ったよ。
言わなくても、結局、怒らせてしまった……。
「違う、……違う、よ……」
謝らなきゃいけないようなことはしていない。
怒らせたかった訳じゃないのに。
言わない方がいいと思ったんだ。
言ったら余計に怒らせると思ったから。
視界が涙でぼやける。泣いても仕方ない。何も変わらない。
「ごめん、みぃ……」
幸也は僕の頭を胸に抱き込み、髪に口づけた。
なんで、急に優しくするの? なんで、幸也が謝るの?
感情が混乱する。僕は、ぐっと幸也を押しのけた。
「だって、言ったら……本当のこと言ったら、怒るでしょ? 別に、僕はやましいことはしてないっ」
僕は幸也を睨み上げていた。
感情が入り乱れ、怒りが一瞬、僕の心を支配した。
違う、間違ってる。僕が悪いのに。僕が……。
我慢していた涙が、溢れた。
なんでケンカになっちゃうんだろう。
ケンカしたい訳じゃないのに。
幸也を怒らせたかった訳じゃないのに。
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