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ここが可愛い『立花さんへのお礼編14』 【ほのぼの】
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だいぶ落ち着きを取り戻した瑞月が口を開いた。
「約束、守ってくださいね」
瑞月の言葉に、きょとんとする立花。
「消して下さい」
その言葉に何のことかを察した立花はスマホを取り出した。
「これ?」
そう言って見せてきたのは、瑞月の泣き顔の写真だった。
立花はニヤッと笑う。
俺は思わず、スマホを取り上げ、叩き割ってやろうと思った。
しかし、俺より先に瑞月が動く。
「早く消してください!」
瑞月はスマホの画面を一生懸命、両手で隠そうとし、真っ赤な顔で訴える。
絢乃が横から画面をひょいっと覗き見る。
「うわーっ、可愛いね」
あれでしょ? 狭山が帰って来なくて泣いちゃったっていう……と絢乃がキラキラした目で言う。
絢乃の言葉に、瑞月は目を白黒させる。
「かっ、可愛くないです」
全否定する瑞月に、絢乃は、にこりと微笑む。
「見かけ、じゃないよ」
絢乃は瑞月の胸を人差し指でトントンっと叩くと、言葉を繋げた。
「瑞月くんは、ここが可愛いんだよ」
心が、ね、と絢乃が笑う。俺と立花は、絢乃の言葉に頷き同意を示す。
「やっ、やめて下さいっ」
瑞月は真っ赤な顔で俯いてしまった。
「でも、狭山にお礼言われてないし……」
そう言いながら、立花が瑞月に、すっと寄る。
「瑞月に身体で返してもらおうかなぁ」
瑞月の顎をくいっと持ち上げる。瑞月は、立花に見つめられ、どうしていいかわからないというように、目を瞬かせていた。
ゴンッ!
「ってぇ!」
俺は全力で立花の頭を上から拳で殴りつけた。
「いいかげんにしないと、殴り殺しそうなんで、やめてもらえるかな?」
顔には笑みが浮かんでいるが、こめかみには無数の青筋が立っていたのは言うまでも、ない……。
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