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衝撃の事実『ゆきの誕生日編3』 【ほのぼの】
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言われた通り、僕は13時少し前、テル像くん前にたどり着いた。
周りを見渡しても立花さんの姿はなかった。
気が重い。
幸也に嘘をついた。その事実が、僕の心を重くしていた。
浮気じゃないけど…これは、やっぱり幸也を裏切る行為なのかな?
もし……もし、変なことをされそうになったら断るよ。もちろん。
でも…やっぱり僕の判断は間違いなのかな…?
「瑞月くんっ」
俯き佇む僕の視界に、ひょこっと割り込んできたのは、絢乃さんの笑顔だった。
「はっ? えっ?」
僕の反応に絢乃さんはけらけらと笑い、口を開く。
「ごめん、ごめん。ちょっと遅れたね」
にこにこしている絢乃さんに、僕は状況が飲み込めずに、ぽかんとする。
「ん?」
絢乃さんの眉間に皺が寄る。
「もしかして、なんも聞いてない?」
僕はコクンと頷いた。たぶん、何も聞いてない。
絢乃さんはふぅっと大きく息を吐く。瞳を閉じて、軽く拳を握る。
「絢乃……さん?」
僕の声に、絢乃さんは、ふと我に返り、口を開いた。
「…ごめんね。また立花が……。たぶん、瑞月くんをからかって遊んでるよね、アイツ」
帰ったら叱り飛ばすから、と胸の前に握り込んだ拳を持ち上げた。そして、にこりと笑む。
「今日は、3人で狭山の誕生日プレゼントを買いに行こうと思ってたの」
僕は、相変わらず、きょとんとした顔で絢乃さんを見る。
「明日、誕生日でしょ?」
ええぇーっ!
僕は、目を真ん丸にして絢乃さんを見ていた。
そう、付き合って1年が経過しているのに、僕たちはお互いの誕生日すら知らなかった…。
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