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操には 目的は伏せて、バイトをすることにした…とだけは言った。
操は、「これから暫くは一緒に帰れないと思う」と言った李久の言葉に無表情のままコクリと頷いたが、心の中は『何で?何で?』を繰り返していた…
一緒に帰る道すがら、特に何も喋る訳じゃないけれど心は満ち足りていた…
バイトから帰って来ると決まって携帯に《(*^o^*)お疲れ~》のメールがあった…
なのに…
最近は朝に《(>_<)寝ちゃった!ゴメン…》の文字……
操はなんだか独り取り残された心細さを感じていた。
クラスメートの男子が「昨日の放課後に尾佐が隣のクラスの女子と一緒に帰ってるのを見た!」と話しているのを耳にした李久は、椅子に座りノートに黙々とシャーペンを走らせている操をチラリと見た。
何人かの男女がチラチラと操を見るが、体格と顔のせいで近よりがたいのか、事の真意を誰も尋ねる者はいない…
当の本人は、バイクのイラストを一心不乱に全身全霊をかけて描いているので周りのざわめきの元が自分だと気がついていないのだ。
『みー にも遂に彼女が出来たのか?』
李久は操の容姿からすれば遅いくらいだと思った。操が、どこの誰と付き合おうが李久には関係の無いことだが、この12年友達をやってきたのだから 真相を聞いて「付き合っている」と言われたら「良かったな」と言おうと、昼休みに弁当を食べがてら聞いてみた。
「最近… やたら女子が寄って来るんだ…隣のクラスばっかじゃなく先輩とか…」
「じゃ…付き合ってる訳じゃないんだ」
李久は、何故か自分がホッとしている事に気がついた…
何に対しての安堵感なのか その時の李久には解らなかったが……
操は厳つい顔とデカい体躯に似つかわしく無いが、実は温厚な性格だ…
今回の噂の真相は、どうやら操の優柔不断さが招いた事のようだ。
そんな操だから、李久が何故バイトを始めたのか気になっていたが、ちゃんと聞けずにいた。
本当はずっと気になっていたから操は聞くのは今だと意を決した……が
昼休み終了の鐘に出鼻をくじかれた…
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