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短い黒髪にブラウンのロングウィッグを付け、タイツを履いているとはいえ男子特有のゴツさがない脚はバイトのコの中でも断トツの美脚だ…そして一時はメイクアップアーティストを目指していた晶子のメイクのおかげで、多分実の親にも解らない程の可憐な美少女に李久は変身した……
さっきとはうってかわって李久の周りには 主に土曜日ということもあって若い男どもが群がった…
ケーキを予約するから携帯の電話番号を教えてくれと言ってくるのも1人 2人じゃない。
「実は男です」と言えば群れは散るだろうが、そうなるとケーキの予約が取れない、増え続ける男達に辟易していた李久は、突然 強い力で腕を引っ張られて群から抜け出した。
半ば引きずられるようになりながらも付いていったのは、李久の腕を掴みズンズン大股で歩く人物が知っている人間だったからだ……
「みー……もっとユックリ歩いてよ、足が痛い…」
暫くすると、履き慣れないブーツを履いた足の先や踵が悲鳴をあげた。
店から近い公園のベンチに座らせてもらい、李久はホッと息を吐く……
「こんな恰好までして…李久は何を買いたいの?…もしかして李久のパパとママへのクリスマスプレゼント?」
珍しくも長文の言葉が操から出る……しかも何やら怒っている声色だ。
「違うよ…父さん達にプレゼントなんて考えた事は無いし……ちょっと値のはる物だから貯金だけじゃ足りなくて…」
公園のベンチに座る2人を、鋭い目付きの恐い外国人に脅されてるミニスカサンタのコスプレをした女のコだと思われているのかチラチラとこちらを見てくる数組のカップルの視線が痛くて李久は俯いた。
(お前のバースデープレゼントを買うんだよ…)
そう言いそうになるのを なんとか堪えた。
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