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暫く歩いていると空腹感をおぼえて、食事もそこそこに家を出てきた事を思い出した。
夕方のパーティーまでにはまだ時間があるからコンビニでパンでも買おうとズボンの後ろポケットに手を当てて財布が無いことに気がつく…
途中で落としたとは思えないので十中八九 古着屋に置いて来たのだと思い、李久は今来た道を引き返した。
その頃…
古着屋にいる操はずっとしつこく付きまとっていた彼女に「1日だけデートしてくれたら諦めるから」と言われて渋々来たのだが、お気に入りの古着屋に来て不覚にもテンションがあがってしまい彼女の言われるまま買う気は勿論ないがレア物の上着などを試着してしまっていた…
その時、レジの横に見覚えのある布地のチェックの二つ折りの財布を見つけた。
「あの…この財布、オレの知人のだと思うんです…」
ほぼ間違いなくそう言えるのは一緒に買いに行って色違いの財布を自分も持っているからだ…
「ああ、君 3ヶ月ほど前にも来てたね…さっきビンテージのライダースジャケットを買っていったコと一緒に来てたよね…そうかぁ…あれ君へのプレゼントなんだなぁ」
店主は、一応財布の中を確かめて李久のだと証明できたので操に渡した。
操は、訳が解らずキョトンとしている女子を置き去りにして店を飛び出した…
操は、初めて胸が熱くなるのをかんじた。
12年の思い出は、どれをとっても李久との楽しい日々だった…
李久と一緒が楽しくて、李久以外とは一緒にいたくなかった……そんな想いは操は、もう ずっと昔からあったが『李久は違うのだと』そう思っていたのに。
(李久も、ずっとオレといたいと思ってくれてる…)
バイトで 女装をしてまで ジャケットを買おうとしてくれた李久の気持ちが知りたい…
その時 目の前にトボトボと歩く李久を見つけた。
駆け寄って李久の腕を引く…
驚いて振り向いた李久の目が真っ赤なのを見て 今度は操が驚いた。
「み―…何でここにいるんだよ!彼女は?」
「知らない…勝手に帰るんじゃない?」
「自分の彼女ほったらかしにしてきたの?」
「彼女じゃないし…それよか聞かせてよ……李久にそんな顔をさせたのはオレ?」
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