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「違うよ…ゴミが目に入ったんだ!」
「その箱に入ってるの オレへのバースデープレゼントでしょ?」
「ち、違う!これは俺が俺のために買ったの!」
必死に強がる李久を操は、ギュッと抱きしめたい衝動にかられた。
でも、そんなことをしたら きっと合気道の師範に何時でもなれる李久に投げ飛ばされてしまうだろうことは誰より解っているので思い留まり、その代わりに言葉で今の気持ちを伝える事にした。
本来口下手の操だが、李久に本当の気持ちを知って欲しかったのだ。
「李久…あのさぁ……オレの隣にこれからもいてほしいのは…李久なんだよね…」
真っ赤な目を見開いて李久が操を見上げた。
「み―…お前…なに言ってんの?そんなこと…」
「ハークション!!」
「…無理だろう…」と、李久が言う前に操がクシャミをした。
見れば操は この寒い日に薄いネル地のシャツだけだった。
「パーカーもダウンも着ないで外に出たのか?」
「あー…いや…古着屋で脱いだまんま…」
「もう、風邪ひいちゃうだろ!行くよ…早く行かないと売り物にされるかも!」
李久は自然と操の手を握り、走り出した。
そんな2人の繋がれた手の上にフワリと白いものが落ちてきた。
瞬く間に溶けて小さな水滴になったが、また フワリと舞い落ちては溶けた…
「李久…雪だよ…もしかして初雪じゃない?」
空を見上げて子供の様にはしゃぐ操を李久は呆れた顔で見てる…
「誕生日に初雪見れるなんて超ラッキーだと思わない?」
「わかった わかった…とにかく今は上着を取りに行くのが先…」
「李久、冷たい…」
そう言いながらも操は嬉しそうだ…
お互いが抱(いだ)く感情は恋愛なのか肉親愛に近いものなのかは2人共 まだ解らないが…今ひとつ言える事は…操は李久に 李久は操に傍にいてほしいということ………
おわり
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