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微かな想いと温かな部屋
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*
俺の隣で泣いている人がいる
佑哉さんだ
谷田川の…ソラの行動のせい
ただ、ソラが抱かれてくれなければ、たぶん仕事に出る度、俺たちの立場は危うかったろう
彼が丁寧に俺たちを隠し、玄関の靴までソラの以外は隠したから、俺たちは関わっていないって思ってもらえたんだ
たぶんこれで、俺たちは利用されただけに見えただろう
あとは目立った行動さえしなければ大丈夫
でも
でもだからって
ソラが抱かれる必要が、犯される必要がどこにある
俺はあいつと友達じゃないけど仲間だし、
佑哉さんには大切な友達だろ
なんで仲間犯されなきゃいけないんだ…
「やめて!やめて八十島さん!ごめんなさいッ、離してくださっ…やだ!!」
ソラの叫び声が聞こえて、助けにいこうとする佑哉さんを必死に押さえ込む
そのまま叫び声が遠くなって、扉が開く音がし、すぐにバタンッと音がした
ゆっくりと外へ出る
彼も外へ出すと、大声で泣き出した
「ソラ…!…なんで…!」
ソラは悪くないとわかっていても、責めずにはいられないのだろう
泣いて
泣いて
止めたってきっと気休めも言えないから、なにも言わずただ見ていた
しばらくして、涙が枯れた佑哉さんの頭を優しく撫でる
「海人…!」
「…ソラはたぶん、俺たちを守りたかったんすよ」
「…わかってる。でも」
「俺たちは待つしかないでしょ」
「…うん」
佑哉さんはただ泣いていた
俺は彼を抱き締めるとずっとそうしていた
しばらくして、俺は彼を離すと、まっすぐ顔を見て言った
「ほら、今日佑哉さん、ダンスのレッスンでしょ。…俺のダンスまた見てくださいよ」
「うん…」
笑うと、彼も心細そうに頷いた
いつの間に、この人とソラはこんなに互いを思い合うようになったのか
わかんないけど、少しでも力になりたかった
だから彼を連れていった
踊れば少しは、気持ちも晴れるから
練習が終わり寮に戻ると、佑哉さんの部屋の前にソラがいた
扉には鍵がかかってないはずなのに、彼はその扉の前にたっているだけ
躊躇ってる?
たぶんそんな感じだ
声をかけようと動いた刹那
俺の隣を小さい気配が通りすぎた
佑哉さんだ
精液で濡れた体を躊躇いもなく抱き締めた
ソラの目から、透明な液体が滴って、でも二人は笑ってた
この二人には叶わないな
なんかそう思ったら自分が面白くて
笑ってた
「ほら、二人とも部屋入りましょうよ。俺、夕食は肉がいいっす」
「…ああ」
「うん…ほんとに海人は肉が好きだなぁ」
笑うと、3人で部屋に入った
やっぱりこの部屋は3人でいるのが温かい
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